武漢での新型コロナウイルス感染症対策⑭|科学的根拠に基づく渡航自粛地域①(20/02/27)
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武漢での新型コロナウイルス感染症対策⑭|科学的根拠に基づく渡航自粛地域①(20/02/27)

2020年02月27日(木)12:27 午前

2月24日に、厚生労働省による「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が開催されました。そこでは、この1~2週間が新型コロナウイルス(COVID-19)による感染の山場となる見解が示されました。翌25日には政府の対策本部が決定した基本方針を踏まえ、例えばプロ野球オープン戦全72試合が、無観客試合となったり、有名アーチストのコンサートが、当日、急遽中止と決定されるなど、国民に負担が強いられています。そんな折、プロフェッショナル産業医で知られる合同会社パラゴンの代表社員 櫻澤 博文は、SARS流行時の2003年、渡航自粛地域として指定されたカナダはトロントを通過したことから、1週間の自宅隔離措置を講じられた経験を持ちます。その立場から、新型コロナウイルスによる感染拡大を抑止するためには、前述のような負担を国民に強いるより有効な対策として、中国本土に加え、韓国、シンガポール、香港、イタリアも、この順番で不要不急の渡航自粛地域として指定する必要があると、科学的根拠を基に導きだしました。

 

【方法】

2020年2月26日午後10時03分時点での米国ジョンズ・ホプキンス大作成の新型コロナウイルス性肺炎流行状況https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6から得られた感染者数上位10位までの地域(プリンセス・ダイヤモンド号を除外)に対し、「世界経済のネタ帳」による2018年における「世界の人口ランキング」よりそれぞれの地域での罹患率を求め、日本と比較することで、日本より罹患率の高い地域を順番に算出しました。

 

【結果】

図のように、わが国より罹患率が高い地域は以下でした。

1位 中国本土 39.8倍

2位 韓国17.4倍

3位 シンガポール11.5倍

4位 香港8.4倍

5位 イタリア3.8倍

 

なお、米国、タイ、台湾は、感染者数も日本より少ないだけでなく、罹患率も日本より低いことより、避難先候補として考えられる結果でした。

 

 

【解説】

中国本土でいうならば39.8倍、わが国より罹患率が高い結果でした。この事は、中国本土に居るだけで、日本に居るより39.8倍、新型コロナウイルスに感染しやすいことを示します。なお疫学や医療統計学では、倍率が2倍を超えたら、寄与危険度という概念から、それが原因である確率が、50%を超すことを意味します。従って、倍率が2倍を超すような概念に対しては、何らかの対策が必要ということで、これまで対策を行う根拠として医療においても、この疫学や医療統計学の結果が重要視されてきています。

 

ここで中国本土の39.8倍に関する寄与危険度を求めてみます。

39.8-1/39.8より0.975となります。

 

このことは、中国への渡航者が新型コロナウイルスに感染したとしたら、その理由の97.5%は、中国への渡航という事実で説明がつくということを意味します。

 

日本国政府がスポーツ観戦やコンサート鑑賞含め、外出を控えるよう国民に呼びかけるのであれば、中国本土を筆頭に、韓国、シンガポール、香港、そしてイタリアへの渡航は控える必要があると考えられます。

 

 

【期待できる効果】

現在わが国では、感染経路が明らかでない感染者が全国で確認されています。それらによる感染爆発を防止するためには、わが国より感染しやすい上記地域への渡航を控えることが、これ以上の感染者数増加を抑止しえるものと考えられます。

 

 

【当社代表の感染症に関する主な業績】

①「職場における感染症対策」福井社会保険労務士会主催 平成15年度安全管理研修会 講演講師  2003年9月26日

②「-63億人の地図-感染症にどう立ち向かうか」.

   NHK BSディベートアワー2004.2.29 出席

③ 豚由来新型インフルエンザの集団感染防護に対する、全額企業負担の自宅待機措置の有効性検証について:職域コホート研究より. 第83回日本産業衛生学会発表、福井、2010

An effective quarantine measure reduced the total incidence of influenza A H1N1 in the workplace: another way to control the H1N1 flu pandemic.J Occup Health. 2011;53(4):287-92. 共著者

 



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