ストレスチェック122|57 項目版『職業性ストレス簡易調査票』の解説(16/4/22)
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ストレスチェック122|57 項目版『職業性ストレス簡易調査票』の解説(16/4/22)

2016年04月22日(金)9:43 PM

57 項目版『職業性ストレス簡易調査票』版の解説


これまでの定期健康診断は、主に仕事による身体への影響を把握するためのものでした。

一方、今回のストレスチェック制度の法定化の目的には、労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止するという「1 次予防」の取組みを強化することがあります。

従って使用すべき調査票には以下の3 つの領域に関する項目で構成される調査票を用いて労働者のストレスの程度を点数化して評価することが求められています(規則第52 条の9)。

①仕事のストレス要因:職場での仕事のさせ方や与え方に対する労働者の心理的な負担

②心身のストレス反応:心身の自覚症状

③周囲のサポート: 職場における上司や同僚の支援


これら3 領域が網羅され、かつ点数評価が可能で、さらには解析ソフトまでもが無料で利用することが可能となっているものに57 項目版「職業性ストレス簡易調査票があります。

ソフトは厚生労働省のホームページ(http://stresscheck.mhlw.go.jp/)からダウンロードすることができます。


また、運輸事業従事者向けになりますが、ネットで利用可能なサイトがあります
(「運輸事業従事者のためのメンタルヘルスこころの健康自己チェック」http://www.transport-pf.or.jp/mhc/pc/index.html)

この「職業性ストレス簡易調査票」は平成11 年までには完成しており、その後多数の企業における使用実績があります。そしてこの調査票に対する信頼性や妥当性が厚生労働省による検討委員会で確認されたことから、指針において使用が推奨されるに至っています。

ただし、以下の限界は考察されていませんでした。

元々は「職業性ストレスモデル」理論が背景にあります。

そこでは正社員なのか、パート職なのか、職位や職務上の葛藤・不明確さ、将来性、交代制勤務なのかといったより仔細な仕事との関係性だけではなく、家族等との関係、婚姻状況、性格との関係性まで把握した上で、何が主要なストレス要因なのか判別しえるものでした。

今回は、仕事以外の因子把握が不十分です。従って、仕事による影響が色濃く出てしまう点、注意が必要です。加藤らの研究結果を踏まえると、夜勤看護職等、強い眠気を常態的に訴える集団においては、精確に判定できない可能性があります。

加藤千津子、嶋田淳子、林邦彦著「看護職の眠気と職業性ストレスの関連」日本公衆衛生誌(2015,62(9):548-55)


48890273-ef49-4736-969d-1b4ecc553d20-medium なお、57項目版そのものは、仕事以外のストレス要因の把握を、ばっさりと切り落としています。したがって、当シリーズで危惧していた通り、「高ストレス者」のうち、医師との面談を希望する労働者の大半は、労務問題や生きづらさ、キャリアの危機を抱えている医師との面談に臨むため、互いに陰性感情といいますが、最悪、互いがけなしあうといった、荒涼とした結果を招く事象が多数、確認されるという事態にまで至っています。

課題の解決する尺度や、解決本は当シリーズ153回で紹介しています。





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