労働政策審議会が今後の産業医等の機能強化に関し建議(17/06/06)
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労働政策審議会が今後の産業医等の機能強化に関し建議(17/06/06)

2017年06月06日(火)10:57 PM

お陰様で合同会社パラゴンは、本日、4歳の誕生日を迎えることができました。これも一重に、産業医や顧問として任じて下さっているご契約先や、代表らの書籍を刊行下さっている出版社のお蔭と存じます。

そんな中、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会(会長:樋口 美雄 慶應義塾大学商学部教授)より、塩崎 恭久 厚生労働大臣に対し、働き方改革実行計画を踏まえた「時間外労働の上限規制等について」の建議  と共に今後の産業医・産業保健機能の強化について建議が行なわれました。

前者で産業医に関することを抜粋します。

労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても上回ることができない時間外労働時間を年720 時間と規定することが適当である。

かつ、年720 時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限として、

① 休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で80 時間以内

② 休日労働を含み、単月で100 時間未満

③ 原則である月45 時間(一年単位の変形労働時間制の場合は42 時間)の時間外労働を上回る回数は、年6回まで

とすることが適当である。なお、原則である月45 時間の上限には休日労働を含まないことから、①及び②については、特例を活用しない月においても適用されるものとすることが適当である。

 

 

長時間労働に対する健康確保措置

過重な労働により脳・心臓疾患等の発症のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないたため、労働者の健康管理を強化することが適当である。

(1) 医師による面接指導

・ このため、長時間労働に対する健康確保措置として、労働安全衛生法第66 条の8の面接指導について、現行では、1週間当たり40 時間を超えて労働させた場合のその超えた時間が1か月当たり100 時間を超えた者から申出があった場合に義務となっているが、この時間数を定めている省令を改正し、1か月当たり80 時間超とすることが適当である。

 企画業務型裁量労働制対象者に講ずる健康確保措置として労働基準法第38 条の4の規定に基づく指針に列挙された内容(代償休日又は特別な休暇の付与、健康診断の実施、連続した年次有給休暇の取得促進、心とからだの相談窓口の設置、配置転換、産業医の助言指導に基づく保健指導)を基本として、長時間労働を行った場合の面接指導、深夜業の回数の制限、勤務間インターバル等を追加することが適当である。

 

 

 

 後者は、今年3月に決定した「働き方改革実行計画」を踏まえて、今年4月から、同審議会の安全衛生分科会(分科会長:土橋 律 東京大学大学院工学系研究科教授)において審議を重ねてきた結果に基づくものです。

今後の産業医・産業保健機能の強化に向けた対策として、速やかに法的整備を含めた所要の措置を講じることが適当であるとされています。

 産業医に関連することを抜粋して紹介します。

 

1 事業者における労働者の健康確保対策の強化

過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化することが求められている。

事業者における労働者の健康確保等は、産業医が異常等の所見のあった労働者に対し、産業医学の専門的立場から事業者に意見を述べ、事業者は当該意見を勘案しつつ、労働者の実情を十分に考慮して、就業上の措置を講じるといった、事業者、産業医の連携による取組が必要であり、十分なコミュニケーションのもとで進められることが重要である。また、事業者における労働者の健康確保の強化を図るためには、産業医は自らの専門性の向上を図るとともに、事業者は産業医の意見を組織として受け止め、より適切な対応を行うことができる仕組みの整備が必要である。

また、面接指導や健康診断の結果など、労働者の健康情報が適正に取り扱われ、労働者が安心して産業医等による健康相談等を受けられるようにするために、健康情報の事業場内での取扱ルールの明確化、適正化の推進が必要である。さらに、労働者が直接産業医等に相談できるための環境整備やその仕組みの労働者への周知が必要である。

(対策の方向性)

ア 長時間労働者等への就業上の措置に対して産業医がより適確に関与するための方策

(ア)長時間労働者等への就業上の措置※に対し、産業医がより適確に関与するために、就業上の措置の内容を産業医が適切に把握することが必要である。産業医の選任が義務づけられている事業場については、事業者が異常等の所見のあった労働者に対して、産業医等からの意見を勘案して就業上の措置を行った場合はその内容を、行わなかった場合は行わなかった旨とその理由を産業医に情報提供しなければならないこととすることが適当である。

※就業上の措置とは、法第66 条の5第1項(健康診断後の就業上の措置)、第66 条の8第5項(長時間労働者の面接指導後の就業上の措置)、第66 条の10 第6項(心理的な負担の程度を把握するための検査を行った者の面接指導後の就業上の措置)に規定される事業者による措置をいう。以下同じ。

(イ)産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認められるときに、労働者の健康管理等について必要な勧告を行うことができるとされているが、その実効性を確保するためには、その勧告の内容が当該事業場の実情等を十分に考慮したものである必要がある。また、産業医の勧告がその趣旨も含めて事業者に十分に理解され、かつ、企業内で適切に共有され、労働者の健康管理のために有効に機能するようにしていくことが重要である。

このため、産業医が勧告を行う場合にあっては、事前にその内容を示し、事業者から意見を求めることとするとともに、産業医から勧告を受けた事業者は、その内容を衛生委員会に報告することとし、もって、産業医の勧告が実質的に尊重されるようしていくことが適当である。

イ 健康情報の事業場内での取扱ルールの明確化、適正化の推進

(ア)事業者は、医師等による面接指導や健康診断の結果などから必要な健康情報を取得し、労働者の健康と安全を確保することが求められている。こうした健康情報については、労働者にとって機微な情報も含まれていることから、労働者が雇用管理において労働者の不利益な取扱いにつながる不安なく安心して産業医等による健康相談等を受けられるようにするとともに、事業者が必要な情報を取得して労働者の健康確保措置を十全に行えるようにするため、適切な取扱いが必要である。事業者は、そのために必要な措置を講じるとともに、雇用管理に必要な健康情報の範囲は、労働者の業務内容等によって異なることから、その具体的な取扱いについて衛生委員会等を活用して労使の関与のもと検討し、定めることとすることが適当である。

(イ)国は、事業場において労働者の健康状況に関する情報の適正な取扱いが図られるよう、必要な事項を定める指針を公表することが適当である。この際、事業者が医療保険者と連携し、労働者の健康の保持増進を進めることに寄与するものとすることが適当である。

ウ 労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談ができる環境整備等

(ア)事業者は、過重な長時間労働やメンタルヘルス不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないために、労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談できる仕組みなど、労働者が安心して健康相談を受けられる体制の整備に努めることとすることが適当である。

(イ)事業者は、産業医等への健康相談の利用方法、産業医の役割、事業場における健康情報の取扱方法について、各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること、若しくは書面を労働者に交付すること、又は磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することにより、労働者に周知することが適当である。

2 産業医がより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備

産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備することが求められている。このため、産業医が企業内で産業医学の専門的立場から、独立性をもって職務を行いやすい仕組みや、より効果的に活動するために必要な情報が提供される仕組みが必要である。さらに、産業医が衛生委員会に積極的に提案できることその他産業医の権限の明確化が必要である。

(対策の方向性)

ア 産業医の独立性、中立性を強化するための方策

(ア)産業医が、産業医学の専門的立場から、独立性をもって職務を行うことができるよう、産業医は、産業医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならないことを法令に明示することとすることが適当である。

(イ)産業医は、産業医学に関する知識・能力の維持向上に努めなければならないこととすることが適当である。

(ウ)産業医の身分の安定性を担保し、職務の遂行の独立性・中立性を高める観点から、産業医が離任した場合には、事業者はその旨及びその理由を衛生委員会に報告することとすることが適当である。

(エ)国は、産業医の養成体制の強化、継続的な資質向上のための取組及び事業者と産業医が協力して産業保健活動を効果的に進めることについて必要な支援を図ることが適当である。

イ 産業医がより効果的に活動するために必要な情報が提供される仕組みの整備事業者は、産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報を提供することが適当である。この必要な情報には、「休憩時間を除き1週間当たり40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80 時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報」や「労働者の健康管理のために必要となる労働者の業務に関する情報」等が含まれる。

 

ウ 産業医が衛生委員会に積極的に提案できることその他産業医の権限の明確化

(ア)衛生委員会において、その委員である産業医が労働者の健康管理の観点から必要な調査審議を求めることができることとすることが適当である。また、調査審議の発議のみならず、衛生委員会の活発な議論を進めるため、産業医は衛生委員会に出席して専門的立場から必要な発言等を積極的に行うことが求められる。

(イ)産業医のより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備の観点から、現場の労働者等からの情報収集、事業者や作業主任者等に対する意見、危機的緊急事態での現場で作業する労働者等への指示など、当該事業場の実情に応じて必要となる産業医の権限についてより具体化・明確化することが適当である。

3 その他

1,2に記載した措置の履行確保のため、産業医の勧告及び衛生委員会から事業者に対する意見並びにこれらを踏まえた事業者の措置の内容について事業者が記録し、保存することとすることが適当である。

1のア(ア)(事業者から産業医への就業上の措置に関する情報の提供)、1のウ(労働者が産業医・産業保健スタッフに直接相談ができる環境整備等)及び2のイ(事業者から産業医への労働者の健康管理等に必要な情報の提供)の産業医についての措置は、法第13 条の2に基づいて50 人未満の事業場において選任される医師等についての措置として、事業者の努力義務とすることが適当である。

国は、1,2に記載した措置に関し、中小企業においても円滑に進められるよう、産業保健総合支援センターやその地域窓口の機能の強化、周知による利用促進などの必要な支援を行うことが適当である。

また、この報告における産業医・産業保健機能の強化に向けた方策については、必要な省令や指針の内容の検討に要する期間、それを踏まえた中小企業も含めた各企業の準備期間も考慮して、その実施の時期を定めることが必要である。

加えて、国においては、産業医が果たすべき労働者の健康確保等に係る重要な役割に鑑み、現場の実態を踏まえつつ、産業医・産業保健機能の着実な強化に向けて、不断の見直しを進めるべきである。その際、「産業医制度の在り方に関する検討会」(平成28 年12 月報告書とりまとめ)において今後課題とされた事項に留意して、対応することが必要である。

////

実際には、以下にあることが大切なのですが。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000167167.pdf

 

その他、検討項目に関する事項

○ 一番大事なものは労働者と産業医との関係であり、そこに信頼関係がないと、今回の方策も前に進まない。労働安全衛生法の枠組みの中で、産業医と労働者の信頼関係を醸成することは簡単ではないと思うが、それをより担保するような方向で改正しなければうまくいかないと思う。今回の各方策を具体化する中で、信頼関係の醸成を念頭に具体的な骨組みについて検討をしてもらいたい。



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