健康経営㊴|悪心・嘔吐、めまいや失神・転倒も心筋梗塞のサイン

「高年齢者の雇用の安定等に関する法律」により、企業は希望する社員全員を65歳まで継続雇用する義務を負っています。中には健康であれば定年を設けずに何歳までも継続雇用する企業も確認されています。

でも、健康経営がうたわれている中、その健康かどうかの確認はどのようにされているのでしょうか。

65才以上の高齢者が心筋梗塞を起こした際、典型的な胸痛症状がみられた方は50.47と約半分に過ぎず、悪心嘔吐が42.05%と4割以上も存在していたり、めまいや失神・転倒症状を呈する場合が32.71%と3割以上も存在しているのみならず、21.49%と5人に1人以上は、胸痛さえなかったことがわかりました。

 

転倒に伴う死亡が多いこと、当社は過去、複数回啓発をしてきていましたが、ひょっとすると転倒を起こした高齢者の中には、背景に心筋梗塞が生じていた場合も存在していたのではないかと考察しました。

悪心嘔吐が4割以上かつ65才未満では認められなかった腹痛を訴える方も3%以上は存在することから、健康かどうか、精確な診断を得られていない場合も多くあることでしょう。

サービス業の窓口担当者や案内者、警備員は高齢顧客に振り回されることが多いこと、認知症バリアフリー社会実現のための介護支援もメンタル産業医の守備範囲であることを示した合同会社パラゴン(東京都港区)

こうした知識も当社は2022年に成人を迎える人口が120万人しかない高齢社会を「健康経営」で乗り切りたい企業にも提供してまいります。

 

出典:Bhatia LC, Naik RH:Clinical profile of acute Myocardial infarction in elderly patients. J Cardipvasc Dis Res,4(2):107-110,2013.

小田倉弘典.循環器内科医からみたよくあるしくじりプラクティス.治療,104(1)17-20,2022