メンタル産業医によるレジリエンスを高める⑯|小説・映画「死の棘」
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メンタル産業医によるレジリエンスを高める⑯|小説・映画「死の棘」

2017年05月28日(日)4:28 PM

産業医先のメンタルヘルス環境を改善し、メンタル産業医として契約先社員のレジリエンスを向上する為には、歴史的な小説やその小説を下にした映画からも学ぶことができます。

合同会社パラゴンの代表は、遺伝子的には群馬や新潟の血も流れているようですが、生まれたのは鹿児島市です。鹿児島県名瀬市にも1972~74年に住んでいました。時を同じくして同じ名瀬に住んでいた小説家に島尾敏雄がいます(1985~86年も鹿児島市と同じ市に二人は住んで居たことになります)。

島尾敏雄という巨人の代表作に「死の棘」があります。日本文学大賞、読売文学賞らを受賞した私小説であり、島尾敏雄自身、妻である島尾ミホ、そしてお子様二人も登場します。

この小説のあらすじとしては以下です。
第十八震洋特攻隊隊長となったトシオ。奄美群島加計呂麻島にて赴任していた最中、島の娘ミホと恋におちました。特攻隊としての出撃の時は訪れぬまま終戦を迎えました。やがて2人は夫婦となり、子ども二人にも恵まれて平凡な日々を送っていました。しかしながら発覚したトシオの浮気が原因で、妻は「抑うつ性障碍」になります。

うち、東京都江戸川区小岩に居を構えた1952年から妻の故郷である名瀬へ1955年に移住するまでの間の夫婦間の苦悩、狭間で翻弄される子供、更に島尾敏雄死後、出された『「死の棘」日記』に描かれた内容・・・闘病の壮絶さ、自殺未遂、そして当時の医療状況を表現した映画があります。
「死の棘」です。小栗康平監督で、松坂慶子、岸部一徳、木内みどりらが出演しています。第43回カンヌ国際映画祭にて最高賞パルム・ドールに次ぐ、 審査員グランプリを受賞しています。

2017年5月29日16時~ と 同31日10時30分~ 角川シネマ有楽町で上映されました。


小説も映画も、それぞれ 相応の賞という証がある内容です。

 

出典:島尾敏雄.新潮社



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