厚労省主催シンポジウム和歌山会場で合同会社パラゴン代表、講演(18/11/29)
トップページ > 厚労省主催シンポジウム和歌山会場で合同会社パラゴン代表、講演(18/11/29)

厚労省主催シンポジウム和歌山会場で合同会社パラゴン代表、講演(18/11/29)

2018年12月01日(土)11:56 PM

「過労死等防止啓発月間」中の11月29日、今年もメンタル産業医集団である合同会社パラゴン(東京都港区 https://pro-sangyoui.com/)代表社員 櫻澤博文が「過労死等防止対策推進シンポジウム」の和歌山会場にて参加かつ講演してまいりました。


【シンポジウム内容】

1.開会の御挨拶を 和歌山労働局 労働基準部長の西本直哉様がなさっていました。
商慣行、取引慣行といった 抵抗勢力や、下請けイジメ、ハラスメントという悪しき慣行をも、今般の働き方改革関連法は是正していくだけの内容を誇っていること、それを踏まえて行政も厳正かつ厳粛に改善を指導していくことを述べられてまして、心強く感じました。


2.[行政からの報告]
和歌山労働局 労働基準部監督課長 津田 惠史様から、「過労死・過重労働の撲滅、働き方改革に向けて」との題で、100枚にも及ぶスライドを、手際よく、簡潔明瞭にポイントを絞ってのご講演がありました。

平成29年1月20日基発「労働時間適正把握ガイドライン」の内容には驚きました。なぜなら、以下も労働時間として取り扱わなければならない活動に含まれていたからでした。

①制服への着替えや業務後も業務に必要な準備行為
②手持時間
③参加が業務上 義務付けられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習時間

また、労働時間に関しては、使用者が、自ら現認確認と記録も明文化されたことも画期的でした。



3.[講演1]

労働法が御専門の滋賀大学名誉教授 大和田 敢太先生より、「過労死と職場のハラスメント」 との題で、ハラスメントに関する学問的な背景、国際的な動向、そして社会における問題点の整理がなされました。

①日本は、ILO[労働の世界における暴力とハラスメント」条約の批准を棄権した。
②トップの宣言やCSR宣言など、会社の方針を定めている企業は2016年度の厚労省調査では34.9%しか存在していないという問題がある。
③加害者側の意図を要件とすることで、加害行為の認定を加害者側に委ねている課題が現実にある。
④スウェーデンでは、性暴力に関しては、明確な同意がないレベルから犯罪性を成立させ、被害者を保護している。
→加害者側の意図がなくても、加害行為に伴う被害があれば、犯罪性は成立しているとすべきというご意見でした。

また、LGBTについても、SOGIという、Sex Orientation Gender Identificationという理解が社会ではなされてきているという最新情勢を教えてもらえました。


4.[講演2]では櫻澤博文が、「ストレスチェック時代の働きやすい職場づくりのヒント」という題で、生産年齢人口が1995年をピークに減少し始めて23年、過労かつ過老社会への処方箋として、
①ストレスチェックにおける集団分析・アクションプランを活用した働きやすい職場づくり形成が、そもそも過労死等を出さずに済む対策として有用。しかしながら実施企業が2017年度は37.5%と少ない現実がある。
②長時間労働削減による過労死やうつ病予防の科学的根拠とその効果は数字できちんと表現できる。その効果を紹介しながら取り組むと実現性を高めることができる。
③大惨事化している第三次産業での労働災害防止に有用なのが産業医の選任であり、契約を促すために国からの助成金制度がある。活用することで、50人未満の事業所でも、労働者保護を推進して欲しい。

以上の話題を提供しました。


5.[遺族の声①]として、2016年2月20日に、20歳のご子息をハラスメントが背景にある自死で亡くされた前田和美様の生の声を聴くことができました。

挨拶しても挨拶しかえさないという、人格を無視する上司が、執拗に、見せしめ的に、イジメを繰り返すだけではなく、“言い訳するな!” “お前が悪い”と、何度も暴言をご子息に吐き続けていた悲惨な、壮絶な話を伺いました。
更に、時間外労働は、多い月には109時間も数えるのに、全て記録させられないという、つまりはサービス残業も強いられていました。
お子様を亡くされて、救えなかったご自身をとても責められたでしょうし、お子様のいない日常生活を送ること、とても辛いと想像しえます。それなのに、加害者側は、むごい発言をしているとのこと。会社側の管理職は、焼香にさえも来ていないとか。

6.[遺族の声②]として、2010年に、特別養護老人ホームに勤務していた49才の夫を過労死で亡くされた 大阪過労死を考える家族の会代表の小池江利様(の生の声を聴くことができました。

人員不足の中、かつ多岐に渡る業務内容に対応するために、月の残業時間は90-150時間に上っていたそうでした。また、ご遺族として、二度と同じ苦悩を抱える家族を出したくない思いがあるからこそ、世間からの冷たい視線や中傷があっても耐えられているものの、まだまだ世間の支援は十分ではない思いも述べられていました。

ご遺族お二人からの長い間の苦悩の日々、癒されない苦悶といった現実の話には、胸がつぶれる思いを致しました。そのような苦悩をご遺族に遺すがために、故人は自らの命をかけて、勤務先の不合理さや犯罪性を証明しなければならないものではなかったはずです。働く人、未来ある労働者、そのご家族の夢や幸福追求権をも踏みにじる、このようなブラック企業はSRI投資やESG投資が日経新聞で連日のように、報じられる中、早く淘汰されるようになって欲しいものだと強く感じました。その為にも、働きやすい職場づくりを推進するのかという、産業医としての取組みの大切さを改めて振り返りながら、良い企業をよりよくすることで、ブラック企業との差別化に真剣に邁進したいと痛感する機会になったと共に、長時間労働の悪影響ぶりも認識しなおせました。







«   |   »

産業医契約が必要な企業様へ


合同会社 パラゴン
モバイルサイト