産業医による健康経営対策㉛|定期健康診断等における血糖検査の取扱いについて
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産業医による健康経営対策㉛|定期健康診断等における血糖検査の取扱いについて

2021年08月24日(火)11:46 AM

健康経営優良法人認証取得支援で知られるメンタル産業医の集団:合同会社パラゴン(東京都港区)が、健康経営対策の基本として、一部の既得権益勢力によって労働者や事業主の利益を奪取されていたという定期健康診断等における血糖検査の取扱いについてが、あるべき姿に戻ったことを紹介します。と共に、、濃厚接触者の最新定義をお伝えします。

1.定期健診での血糖検査の改善

定期健診の対象項目のうち、折角、労働者の健康管理状態を把握可能とするために導入されていたヘモグロビン A1c 検査が、信じられないことに、血糖検査は、空腹時血糖又は随時血糖によることを原則とするよう改悪させられてきていました。随時血糖なので、朝食を摂ってきても構わないという指示をする健診結果が増加し、折角受けたのに、再検査やヘモグロビンA1cによる精密検査を余儀なくされることで労働者の不満が高まっていました。「これでは自己管理や自己保健義務を促す1次予防の動きを侵害し、結局のところ医療費増加にしかならない」と。
そのこともあり、元に戻すよう要望し続けていたところ、2020年12月23日付基 発 1223 第 7 号 にて解決されることになりました。

具体的には、ヘモグロビン A1c 検査を行った場合についても、血糖検査を実施したものと認められることになりました。

また、ヘモグロビン A1c(NGSP 値)を測定せずに随時血糖による血糖検査を行う場合は食直後(食事開始時から3.5時間未満)を除いて実施することになりました。

出典:厚生労働省労働基準局長.定期健康診断等における血糖検査の取扱いについて (基発1223号第7号)

2.濃厚接触者の最新定義

保健所による積極的疫学調査という、中国武漢発コロナウイルスに感染した人のうち、感染した可能性がある人を「濃厚接触者」と区分する作業が行われていました。しかしながら全国保健所長会が2020年12月8日に問題提起したように、そもそも24時間体制となるような予算も人的資源も確保されてきていませんでした。

その結果、この積極的疫学調査がなし崩し的に行われない現実が出ています。代わりに労働環境においては、産業医や衛生管理者が行う流れが出てきています。そこで2021年1月8日に出た最新資料を基に、プロフェッショナル産業医で知られる合同会社パラゴンとして最新の定義を紹介致します。

「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」(「無症状病原体保有者」を含む。以下同じ。) の感染可能期間において当該患者が入院、宿泊療養又は自宅療養を開始するまでに接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。

・ 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者

・ 適切な感染防護なしに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者

・ 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者

・ その他: 手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。

※ 航空機内の場合については、国際線においては患者(確定例)の前後2列以内の列に搭乗していた者、国内線おいては患者(確定例)の周囲2メートル内に搭乗していた者をそれぞれ原則とする。ただし、患者(確定例)が搭乗中に長時間マスクを着用していなかった場合や、発熱・咳嗽等の症状を呈していた場合、当該航空機内で多くの患者(確定例)が確認されている場合等は、これらを超えた範囲に搭乗していた者についても個々の状況から感染リスクを考慮し、必要に応じて濃厚接触者とする。

※ 上記の濃厚接触者に該当する者の範囲を超えて、更に幅広い対象者に対してスクリーニング検査が行われる場合がある。その場合の濃厚接触者以外でスクリーニング検査が陰性であった者に対しては、厳密な個人の活動の自粛の要請等の対応までは実施しないことが考えられるが、こうした者がその後何らかの症状を自覚した際には、濃厚接触者が発症した際と同様に再度の検査の実施等の対応をすることが重要である。

出典:国立感染症研究所感染症疫学センター.新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(暫定版)について.2021年1月8日暫定版

 

参考サイト:



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