メンタル産業医 関与記事|トレーニング・ジャーナル7月号に掲載
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メンタル産業医 関与記事|トレーニング・ジャーナル7月号に掲載

2022年06月10日(金)9:49 PM

パフォーマンスを向上するスポーツ医科学専門誌である「Training Journal」2022年7月号(通算513号)がその特集「心身を整える」にて、

メンタル産業医の命名者で「健幸経営」の展開者である合同会社パラゴン(東京都港区)代表の「運動療法を効果的に高めるために」を掲載くださいました。



以下の項目にて記事は構成されています。

企業スポーツのサポート
労働現場にてケガ・病気を防ぐ存在
アスリート社員と一般社員の違いは?
当たり前のことを行う―食事、睡眠
ミスマッチを解消する
努力するには
食育基本法第6条
自信がないとき
スポーツ経験を踏まえて
ハイパフォーマンスを維持・持続するコーチング
勘当という心の栄養を与えられる存在がスポーツ選手


他にもサウナの効用、運動器を維持して老化を遅らせる筋トレ、TRXs明日ペンショントレーニングの特徴、ウルトラマラソン、登山・トレイルランニング等、貴重な記事が集められています。ウルトラマラソンの方が、フルマラソンより時間的制限がない分、気持ちの面では楽だといった記載に、感服しました。

もとい。当社代表のささやかな支援事例をトレーニング・ジャーナル誌が取り上げてくださいました。今回、トレーニング・ジャーナル誌で論述させてもらったこととして、上記項目にハイライトをつけましたが、アスリート社員とはいえ社員。契約が何であれ、社員は社員。一般社員と同等の、いや、負荷を負担とし、更には疾病や怪我にまで及ばせてはいけないから、より一層の保護が必要ということがあります。その点、同誌編集部の隻眼にも感服致します。


これを発端として今後、アスリート社員への労働安全衛生面からの支援も、進むことを願ってやみません。

何しろ日本における労働者に対する安全衛生面での支援は、何も対象を労働者に絞ってきてはいませんでした。公害という外部への不経済性をも克服し環境保護に有益な支援を提供してきました。例えば最近、1998年の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」の以下の4つの原則に加えて、5番目に安全衛生が組み入れられることになりました。

 (a)  結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認

 (b)  あらゆる形態の強制労働の禁止

 (c)  児童労働の実効的な廃止

 (d) 雇用及び職業における差別の排除

具体的には第110回ILO総会において、労働安全衛生 (safe and healthy working environment)を「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」における5番めの原則に加えることが採択されました。

これに伴い、職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約(1981年 第155号、日本未批准)および職業上の安全及び健康促進枠組条約(2006年第187号、日本2007年に批准)が中核的労働基準にアップグレードされました。

例えばILO第155号にて、「生命や健康に切迫した重大な危険のある場合、労働者はその状況を直ちに直接の監督者に報告する。使用者が是正措置をとるまで、労働者はこのような危険な職場に戻ることを求められない。」とあるように、労働者側の手段としての権利が憲章化されました。

これにより全てのILO加盟国は「誠意をもって、憲章に従って、これらの条約の対象となっている基本的権利に関する原則を尊重する義務」を有することとなります。

むろんこれは世界的な水準。
日本においてはより先進性があります。

例えば日本の労働安全衛生法第二十五条には「 事業者は、労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を作業場から退避させる等必要な措置を講じなければならない。」とILO第155条のモデルがすでにあったわけです。

日本国内の安全衛生に関する最近の動きは大きく、化学物質の自律的管理の動きや、「個人事業者等の安全衛生に関する検討会」、その背景の一つとしての「安衛法第22条は、労働者だけでなく、同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨」との判断に基づいて、建設アスベスト訴訟最高裁判決を踏まえた一人親方等の保護に関する法令改正など、働くことに関する健康安全確保のフレームの見直しが大きく進んでいる状況にあります。

 

 



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