健幸経営産業医|「あざみ野STYLE vol.50」に掲載:血姻族による「オレオレ詐欺」対策
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健幸経営産業医|「あざみ野STYLE vol.50」に掲載:血姻族による「オレオレ詐欺」対策

2023年03月23日(木)6:10 PM

健幸(ウェルビーイング)経営支援型産業医として知られる合同会社パラゴン(東京都港区)代表の櫻澤博文執筆 
「メンタル産業医 ドクター櫻澤のヘルシーコラム いつもこころにうるおいを!
微弱超音波刺激による認知機能・精神症状の軽減効果検証
「相続」を「争族」にしないために認知機能を保つ
が以下に掲載されました。

出典:あざみ野STYLE 2023SPRING Vol50



遺言にまつわる【親族によるオレオレ詐欺】の実態を踏まえ、「相続」を「争族」に、遺言で遺恨を招かない支援として認知機能を有効に保ち続ける方法を紹介しております。

 

21世紀の健康管理とは:認知機能の維持が相続を争族や遺言で遺恨を招かない主目的に

世の中には「親族によるオレオレ詐欺」が実在しています。「実子」が親を錯誤させ、自身に有利な遺言を作成、または偽造した上でその親に後見人をつけさせます。これで実親は「被後見人」へと仕立てられ、

その遺言の変更には困難を付随させる一連の行為を指します。YouTube動画で解決法は確認できますが。

「争族」を予防し、かつ遺言で遺恨を招かないためには、日頃から我々一人一人が認知機能を高く保つべく意識することが必須条件です。「今頃言われても!」という向きもおいででしょう。そこで認知機能や精神症状に対する微弱超音波刺激の科学的有効性を紹介します。

 

認知機能・精神症状の軽快に加え介護者負担度が軽減可能とする検討事例
レビー小体型認知症4 症例、アルツハイマー型認知症2 症例の計6 症例を対象に、神川歯科大学附属病院・横浜クリニックの臨床心理士藤井博子氏らが12週間の微弱超音波刺激装置による認知機能と患者重症度および介護者負担度への効果検証結果を紹介します。ミニメンタルステート検査(MMSE)という汎用性の高い認知機能検査に加え、時間・場所・計算力など11の認知機能に関しては、 6 症例すべてで認知機能や精神症状の軽快が確認されていました。また患者の重症度や介護者負担度評価する神経精神目録-質問票 (NPI-Q*1)では、 6 症例中 5 症例で軽快が確認されていました。

出典:藤井博子,岡野秀鑑,霜鳥良雄,小阪憲司. 経頭蓋微弱超音波刺激による認知症症状軽減作用.日本認知症予防学会誌 Vol.11 No.1, 2021

 

レビー小体型認知症患者の行動・心理症状の改善と介護負担が軽減可能とする特定臨床研究結果

レビー小体型認知症患者における認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)、及び介護負担への微弱超音波刺激の効果を検討した特定臨床研究の結果は以下の通りでした。

 

◎認知症に伴う行動・心理症状は早くも8週目には改善が期待可能

前述NPI-Qによる評価結果では、超音波刺激施行8週目以降に改善傾向が示され、かつ超音波刺激の持続に比して改善度の向上も続き、その効果は終了後4週間目でも確認されていました。

 

◎パーキンソニズム症状の改善に加え介護負担も軽減

UPDRS-Ⅲ*2を用いたパーキンソニズム症状とZARIT8*3による介護負担度の評価結果は、双方とも12週目に改善傾向が確認され、それは刺激終了後の4週間目でも持続していました。介護者の負担が軽減されることは特記すべきことではないでしょうか。

 

◎MMSEによる認知機能の改善度評価は今後の課題

MMSEで評価した認知機能は、8週目には改善傾向が確認されていたものの、12週目には確認されていませんでした。

 

以上のように微弱超音波刺激装置による科学的有効性評価に関しては、確実に認知症に対する有用性が確認され始めているだけではなく、認知機能の低下抑止という、つまりは予防方法になりえる手段としての実用化に向けた研究が進められています。特に心理症状やパーキンソニズム症状といった介護者への負担を軽減する効果は、介護離職を防止するという社会医学的効果が得られることより、今後も更なる検討が待たれると共に、有効性評価の高まりに比しての世間での活用の拡大が望まれます。、なぜならば、被相続人の認知機能が改善すると、比して遺言の信憑性は高まり、対して「争族」は予防できるようになります。結果として市民の幸福追求権にも寄与しえることでしょう。

 

*1  NPI-Q :「妄想」「幻覚」「興奮」「うつ」「不安」「多幸」「無関心」「脱抑制」「易怒性」「異常行動」「夜間行動」「食行動」の 計 12 項目から構成される認知症者の BPSD(行動・心理症状を表す Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)の頻度、重症度、介護者の負担度を数量化できる評価方法 。

*2  UPDRS-Ⅲ :言語や顔の表情、上肢の動き、下肢の動き、立ち上がり、歩行、姿勢の安定性、手足の振るえ等から構成されるパーキンソンニズムにおける運動機能評価尺度。

*3 ZARIT8 :介護者の情緒的,身体的健康,社会生活および経済的状態に関して被った苦痛の程度を22 項目から評価する介護負担の評価尺度。

出典:レビー小体型認知症と臨床診断された患者を対象とする頭部超音波刺激装置 Ultra-Ma の有効性及び安全性に対する臨床研究. 特定臨床研究 報告書

参考サイト:医学的エビデンス.一般社団法人日本セルフケア研究会

 

東京都主催「中小企業のための障碍者雇用支援フェア」における講演もあわせてご覧ください。

 

 



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