経済産業省は「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の選定に向け健康経営度調査を、毎年実施しています。その背景を踏まえ、どのようにしたら選定されるのかを、健康経営に長けたプロフェッショナル産業医提唱者で知られる合同会社パラゴン(東京都港区)が紹介します。なお合同会社パラゴンは「健康経営優良法人」認定支援の実績と、メンタル産業医サービスの提供機関として知られています。
平成29年度健康経営度調査の回答法人数は、第3回(726法人)から513法人増加の「1,239法人」であったため、以下を主な柱とする
厳密な評価が新たに加えられています。
①健康経営銘柄の選定要件及び健康経営優良法人の認定要件の見直し
「受動喫煙対策に関する取り組み」を必須項目化。
「生活習慣病予備群者への特定保健指導以外の保健指導」、「健康保持・増進やメンタルヘルスに関する教育」について、認定要件において「各施策の参加率(実施率)を図っていること」を求めることとする。
「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」を認定要件に追加。
②健康経営優良法人2019(大規模法人部門)においては、申請法人単位の特定健診・保健指導の実施率(2017年度実績)が加算対象に相当している場合は、2018年度の実施率を向上させることについて、共同申請者である保険者との連名で誓約を求める。
次年度以降については、保険者単位の実施率により、加算対象の場合は申請を不可とする。
③健康経営の実践による企業価値等の向上等を測る観点から「組織」の活性化に着目していくことが必要であることからアウトカム指標として“組織の活性度”に関する設問を追加
「健康経営を行うことでいかに生産性や企業価値に効果があるかを分析し、それをステークホルダーに対し積極的な発信を行っているか」の記述欄を確認。
アニュアルレポート等の中で「従業員の健康保持・増進の取組による成果」を公開している場合は、その具体的な内容を記述させ、銘柄選定の際に確認・評価。
「健康経営の企業経営への影響を具体的な指標で検証している場合、具体的な取組」を記述させ、銘柄選定の際に確認・評価。
「投資家との対話の中で健康経営をどのように話題にしているか」の設問において、投資家との対話の状況を確認。
④健康経営優良法人(中小規模部門)2018の認定基準も同様に見直し。
社員向け教材である産業医の活用で「健康経営優良法人」認定を目指すための解説マンガ「健康でかがやく社会に!!:ドクターちぇりいの「過労死ゼロ」をめざそう!」の活用に加え、
働きやすい職場づくりに成功した事例や「健康経営優良法人」認定の取得方法を当社代表が監修者した「働きやすい職場づくりのヒント」(金剛出版より発売中)を参考にするとよいでしょう。