健康経営産業医|第14次労働災害防止計画の安全面のポイント解説

さる2023年6月16日にワークピア横浜で令和5年度日本労働安全衛生コンサルタント会神奈川支部定期総会が開催されました。

その中で 神奈川労働局安全課主席調査官と健康課課長から直々に特別講演会がありました。
その内容は順次、契約先の(安全)衛生委員会での衛生講話にて展開中ですが、契約先以外にも有用な内容を数多くご教示賜れたので、今回はうち 「第14次労働災害防止計画(神奈川計画) 2023年5月神奈川労働局」のうち安全面に関する対策のポイントを紹介します。

 

さて、
過去5年(2018~2022年度までの5か年)、制定されていたのが第13次労働災害防止計画です。

その5か年中、神奈川で発生した死亡災害を発生要因毎、区分した結果にて、死因1位 と2位との順番に沿った組み合わせは

①~⑥のうちどれでしょうか。

実際に 令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況 によると、「死因簡単分類別」20102 の 転倒・転落・墜落 は 男女合計10,202人(男性5, 347人、女性 4, 855人)と、当社が「アクティブ体操®」をメンタル産業医が紹介|転倒災害防止にて健幸経営を にて2020年度の転倒・転落・墜落による死亡者数は9,581人だったことと比すると、1年で621人、割合で6.5%も死亡が増加していることがわかります。

そうです。1位は転落・転倒・墜落死です。

2位が何かは 第14次労働災害防止計画(神奈川計画) 2023年5月神奈川労働局 をご覧ください。

 

次に、業種毎に、そして左から死亡災害を多く出した順に並べてみました。
順番をお考えになってみてください。

 

次は死亡した174名の年代別区分です。うち60才以上の割合はどれでしょうか。

 

解答はこちらです。

 

特に、いわゆる「ベテラン」の部類や、熟練工に相当する50代以上が、「だろう運転」をするからなのか、自己中心的だからなのか危険だという現実があるのではないでしょうか。

対して令和5年度エイジフレンドリー助成金 という支援制度も拡充されています。令和5年度から「コラボヘルスコース」が設けられ、健康増進に向けた取り組みに関しても助成の対象となりました。

 

むろん20代という若手も、このコロナ禍下、満足な新人研修を受けられなかった場合があったり、経験を積むこともないまま部下指導を命ぜられたりする実際があるものでしょう。がしかしこの数年、労災事故が増加していることが把握されています。

 

そしてこの第14次労働災害防止計画における大きな特徴として、アウトプット指標が定められました。

第14次労働災害防止計画(神奈川計画)ダイジェスト版をご覧ください。

富岳や人工知能を使って、業種、業態、業務内容、従事者属性、事故の型別等々、多変量解析を用いて、どの業種やどの業態は、どのような対策を講じたら良いのか科学的分析結果が示されました。それらアウトプット指標に記載されたことを実施すると、アウトカム指標にて改善が期待しえます。

思うに
2018~2022年度までの5か年、制定されていたのが第13次労働災害防止計画です。第12次労働災害防止計画の頃から、転倒・墜落災害が目立って増加していたことから、当社は2018年に

以下のように「第3次産業は大惨事」との造語を公開すると共に、労災統計を独自に見えやすい わかりやすい処理を加えて公開しました

 

 

参考サイト:「第3次産業は大惨事産業」命名の産業医|転倒・転落・墜落防止に「ころばNICE神奈川体操」を紹介

これらは過労死等防止対策推進シンポジウムでも好評でした。

2020年に、日本人は9,581人もが、転倒・転落・墜落で死亡していることが判明したことから、JFEスチールが製作し、かつ毎日従業員に実施させている「アクティブ体操®」に関してマツダ社が導入後の検討にて つまずき、転倒災害といった労働災害防止効果もあることを当社代表が専門書を読む中で見出したため当サイトで紹介した次第でした。

 

参考サイト:「アクティブ体操®」をメンタル産業医が紹介|転倒災害防止にて健幸経営を

「アクティブ体操®」とは

元々は腰痛や肩こり解消効果を狙って製作されており、かつ

①深呼吸
②股割り
③四股の姿勢での肩入れ
④ハムストリングスのストレッチ
⑤太もも前のストレッチ
⑥屈伸と前屈運動
⑦爪先立ち運動
⑧脊柱運動

の8つが、肩こり、腰痛、膝の痛みといった整形外科的疾患の発症予防や除痛効果も示されています。

出典:山下真紀子ら.作業前体操及びローカル筋トレーニングによる腰痛の予防.産業医学ジャーナル;40:46-51:2017

このアクティブ体操®はUTubeで公開されています(以下、音響が出ます)

 

 

「ころばNICE神奈川体操」とは

2015年より神奈川県は以下のように6月を転倒防止の重点取組期間と定め、かつ「ころばNICE神奈川体操」を県民に展開していました。

参考サイト:STOP!転倒災害プロジェクト神奈川