メンタル産業医ドクター櫻澤のヘルシーコラム|「あざみ野STYLE vol.52」に掲載

メンタル産業医として健幸経営の進化発展支援に貢献する集団 合同会社パラゴン(東京都港区)代表の櫻澤博文執筆 
「メンタル産業医 ドクター櫻澤のヘルシーコラム いつもこころにうるおいを!
2025年問題への処方箋~微弱超音波刺激による認知機能改善軽減~
が以下に掲載されました。

 

出典:あざみ野STYLE 2023-2024WINTER Vol.52

今回は
・あの池野文昭先生の登壇された直後、
・あの垣添忠生先生ご登壇のドキュメンタリー映画「Dr.カキゾエ 歩く処方箋」という映画「処方箋」シリーズ第3弾の製作決定、かつ2024年春公開予定といった素晴らしい記事が続いています。

参考サイト:池野文昭先生の教え|第30回日本医学会総会2019中部報告①

 

2025年には、「団塊世代」という、戦後の第一次ベビーブーム(1947~1949年)に生まれたか方々が「後期高齢者」と呼称される75歳を迎えます。この75歳以上は人口は2,180万人になると予測されています。対する介護人材の不足から、「介護難民」という、介護が必要なのに適切な介護支援サービスを受けられない方々が生じています。対して微弱超音波装置による認知機能改善効果が間近に迫ったこの「2025年問題」を解決する一助になりえます。そこでShimotoriらの低出力超音波刺激装置(以下、装置)によるレビー小体型認知症とパーキンソン病に関する論説がJournal of Clinical Resaarch and Medicineに掲載されたので紹介しました。

Shimotori Y, Kusaka M (2023) Efficacy and Safety of Low-Level Long-Wave Ultrasonic Stimulator for Dementia with Lewy Bodies and Parkinson’s Disease (Is the Dolphin Wave Effective for Neurodegenerative Diseases in the Brain!). J Clin Res Med Volume 6(2): 1–5.
URL:https://researchopenworld.com/efficacy-and-safety-of-low-level-long-wave-ultrasonic-stimulator-for-dementia-with-lewy-bodies-and-parkinsons-disease-is-the-dolphin-wave-effective-for-neurodegenerative-diseases-in-the-brai/

頭蓋モデルを用いた超音波の集積度検証 

30kHzとイルカが発する超音波の波長は5cmです。装置より頭蓋骨モデルに対して、前額部の 左右にある振動子から,左右交互に周期 1.5 秒間隔でパルス比率 10% の音響振動を照射すると、researchopenworld.com のFigure2にあるように脳深部にまで伝播することがわかりました。超音波強度は最大で 0.0016 ワット/cm2とJIS 規格(最大 3.0 ワット/cm2)の1/1,875 と微弱でも身体内に深く音響振動が分布することが示唆されました。

 

 

脳血流への影響

次に、装置による脳血流への効果をキセノンCT検査で検証したところ、researchopenworld.com のFigure4にあるように振動子 2 個による前額部左右からの刺激では脳内血流量が 10% 、前後左右からの 4 個の振動子刺激では 15%の増加が示されました。

 

レビー小体型認知症患者への臨床研究結果

レビー小体型認知症に罹患した12例に対して、装置による効果をコントロール群とをNPI-Qという神経指針目録‐質問表に基づき比較検証したところ、researchopenworld.com のFigure6で確認できるように8週目と12週目に認知機能と介護者負担度の軽減が確認されました。

 

Zarit-8というZarit介護負担尺度短縮版による介護負担度に関しても、MMSE(ミニメンタルステート検査)という認知機能評価でも8週目にはresearchopenworld.com のFigure7で確認できるように有意差ある軽減効果が確認されました。更には認知機能低下に伴うパーキンソン症状の軽減も確認されました。装置による効果検証中、副作用は確認されませんでした。

 

認知症6症例に対する介入治験結果

レビー小体型4例とアルツハイマー型2例を合わせた認知症6例に対し、12週にも及ぶ装置による介入治験が行われました。MMSEとNPI-Qによる評価を行ったところ、6人中5人において、認知機能、精神症状、重症度、介護者負担度が改善していました。

 

重症パーキンソン症候群罹患者への治験結果

重症度分類でⅣ度と、立位、歩行が困難なパーキンソン症候群罹患者を対象に、薬剤療法を併用した装置による12週にわたる有用性評価研究が行われました。認知機能障害の改善のみならず、それまで車椅子生活だったのが、介助歩行まで可能というパーキンソン症状の軽減は、確実に介護者負担度を軽減しえていました。

 

予防訴訟の観点から(「相続」を「争族」にしない)

今回、明らかになったように装置によって、一貫した認知機能の改善や、更には車椅子生活者が、要介助とはいえ歩行できるまでと身体活動度まで改善した結果が示されたことは読者の皆様もその効果に期待を寄せてくださることでしょう。なおあざみ野STYLE第50号「健幸経営産業医|「あざみ野STYLE vol.50」に掲載:血姻族による「オレオレ詐欺」対策第50で紹介した実の子による親に対する実子版オレオレ詐欺はその後も後を絶ちません。対策を格闘偉人伝作者である正念和尚氏に漫画「メンタル産業医解決! 実の子によるオレオレ詐欺編: 予防争族シリーズ」 (パラゴンコミック)にて描いてもらった電子コミック 「メンタル産業医解決! 実の子によるオレオレ詐欺編:予防争族シリーズ」kindle版

それにありすか氏監督の「驚愕!肉親によるオレオレ詐欺! 動画で学べる回避策 ~成年被後見人による公正証書遺言の作成方法~」のYouTube動画も掲載されました。