9月10日は世界自殺予防デー
注:当社は正式記載が「自殺」とされているものはその表記を残しますが、他は「自死」と表現します。
自死対策を推進するために日本は、2007年6月に「自殺総合対策大綱」を閣議決定しました。そこでは自死に関する誤解や偏見をなくし、そして9月10日の「世界自殺予防デー」からの一週間を「自殺予防週間」と設定しました。
国、地方公共団体が連携して、幅広い国民の参加による啓発活動を強力に推進することとなりました。自死対策として正しい知識を普及啓発することの重要性を打ち出しました。行政と市民とは連携して、幅広い市民参加による啓発活動を強力に推進することとなりました。
そこでメンタル産業医の命名者として知られる合同会社パラゴン(東京都港区)も代表社員 櫻澤博文はが中心となり、非科学的な政策を強いることで、自死者数を増やしたという悲惨な「不治も出る」事例について、そのキャンペーン開始直後から危険性を指摘してきたこともあり、そして2009年8月22日の・ 第105回日本精神神経学会学術総会 シンポジウム「産業精神保健における臨床研究と企業倫理」でも問題提起を行いました。
出典:櫻澤博文.産業精神保健における実務的課題と解決策検討.精神経誌(2010)112巻5号
この非科学的な政策対応についての問題提起は、共感を得、実際に「新潮45」2012年7月号 81-82ページ(その後廃刊)や野田正彰医師による 「うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪」という著書 他でも以下のように拡がりをみせてきています。
参考サイト:野田正彰.対策費200億円でもなぜ自殺は減らないか.新潮45 2012年7月号81-82ページ
出典:野田正彰.うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪.講談社
出典:宮岡等,黒木俊秀,斉尾武郎,栗原千絵子.精神医学の羅針盤.篠原出版
「自殺予防週間」とは
自死や精神疾患についての正しい知識を市民に対して行政が普及啓発し、自死に対する偏見をなくしていくとともに、命の大切さや自死の危険を示すサイン、また危険に気づいたときの対応方法等について国民の理解の促進を図ることを目的とした啓発事業を集中的に実施することになっている週間です。
そもそも誰も自死に追い込まれることのない社会こそが、正しい社会の在り方だから設けられました。
自死の多くは、追い込まれた末の死です。つまりは追い込まれることがなければ防止できます。追い込んでいるのは社会的な問題です。自死抑止には、科学的妥当性のある保健、科学的根拠に基づく医療、十分な福祉、必要な教育、生理学や労働安全衛生に基づく労働といったように、多方面からの総合的な推進が必要です。
それだけに「自殺予防週間」において 強力に推進される啓発活動の中身や、その費用対効果については、いよいよストレスチェック制度が、企業におけるメンタルヘルス活動における一次予防として実施が課せられている中です。
厳格に自死対策を吟味かつ実行していく社会の到来が待たれます。