健康経営に長けたメンタル産業医で知られる合同会社パラゴン(東京都港区)がお送りするメンタル産業医によるレジリエンスを高める9回目は、「フロー(flow)」を生じさせる心理状態と般若波羅密多との関係について記載します。
フローとは当シリーズ6で紹介したように、時間感覚を失うほどの高い集中力、楽しさ、自己の没入感覚で表現されるような意識の状態や経験でした。
そのためには、主観に囚われることなく、松下幸之助定義の「すなおな心」であったり、稲盛和夫氏定義の「自由な発想ができる素人」、中村天風の「不屈不撓の一心」、ジェームズ・アレンの「清らかな人間」であることが、条件として求められています。
新しき計画の成就は、ただ不屈不撓の一心にあり。
さらば、ひたむきにただ想え、
気高く、強く、一筋に
中村天風
これは仏教での「般若波羅密多」と近いと考えます。ジェームズ・アレンは「清らかな人間は、いつも自分のエネルギーを、より穏やかな心を、より明確でより強力な目的意識によって導いているから、簡単に成功を得られる」と『「原因」と「結果」の法則』で述べていたようですが、オリジナルは・・・・
菩提薩埵(ぼだいさった)は般若波羅蜜多に依るが故に、心に罣礙(けいげ)が無い
→ 何ものにもとらわれない 純粋な、私心ない立場だったら、けいげ もない・・・・ やましいこともなく
自由闊達な気持ちになれるので、結果がどうなるか 恐れる気持ちさえ 消え失せ、そしてフローが訪れ、萬願成就に至る・・・・
般若心経の翻訳を読み、学んだのかもしれません。