世界保健機関(WHO)は、現行のICD-10改訂(1990年)以来、約30年ぶりに国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)を2018年6月18日に発表しました。
メンタル産業医の命名者が創設した合同会社パラゴン(東京都港区)より改訂された主な内容を紹介します。
新規に追加される章(厚生労働省政策統括官(統計・情報政策担当)付参事官付国際分類情報管理室による訳)
・ 第4 章 免疫系の疾患
・ 第7 章 睡眠・覚醒障害
・ 第17 章 性保健健康関連の病態
・ 第26 章 伝統医学の病態-モジュールI
・ 第V 章 生活機能評価に関する補助セクション
・ 第X 章 エクステンションコード
解説
①第17章に性の健康に関する状態が一章を使い区分された。性同一症候群等、精神障がいから独立した。
日本精神神経学会が、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11日版(International Classification of Diseases 11th Revision: ICD-11)の「第6章、精神・行動・神経発達の疾患」及び「第18章、性の健康に関する状態」の日本語病名・用語表を精神科病名検討連絡会を組織し検討した草案
②第26章に、伝統医学・代替療法が区分。
ICD-11 では、漢方医学や中医学に関しても西洋医学と共に伝統医学・代替療法の疾病分類がダブルコーディング可に。
③その他
・医学・公衆衛生の最新知見を踏まえた改訂
・疾病・死亡統計、プライマリケア、臨床、研究といった従来の利用・活用だけではなく、
ウェブサイトでの分類の提供など、電子的環境での活用を想定した様々なツールが、WHOから提供されている。様々な場面での使用を想定
・日中韓(漢方医学)の伝統医学を新たに導入
・病名コードだけでなく、内容(疾患概念)を含め、より多様な病態を表現できるようコード体系が整備された情報体系へと進化
出典:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems (ICD)