健康経営に向けメンタル産業医が「メタボリッ苦ドミノ」を踏まえた糖尿病対策を解説
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健康経営に向けメンタル産業医が「メタボリッ苦ドミノ」を踏まえた糖尿病対策を解説

2019年12月18日(水)10:54 PM

0.メタボリッ苦ドミノとは

いわゆるメタボ健診・・・特定保健診査や特定保健指導で、「メタボリックドミノ」をご覧になったこと、ありませんでしょうか。そのうち「ク」は「苦」だと提唱したのがメンタル産業医の命名者こと合同会社パラゴン(東京都港区)代表の櫻澤博文です。

 



その理由を、それら特定保健診査(診断ではありません)・特定保健指導が導入された背景に、糖尿病という健康日本21を阻害する最大の疾病に照らし合わせ、かつ糖尿病発症が抑止・防止できたら健康寿命が延伸可能なので紹介します。

 

参考サイト:健康経営㉖|「健康寿命をのばそう!アワード」、「輝くテレワーク賞」の紹介 

 

1.甘くない糖尿病

企業が健康経営を推進しようにも、大きな障害となるのが糖尿病です。いわゆるメタボ健診は、国民をこの糖尿病にさせない、ならせないためにはじめられたものです。メンタル産業医の提唱者が創設したことで知られる合同会社パラゴン(東京都港区)も、いわゆる5年、10年、15年、そして20年説を追認せざるを得ない現実があることより、著書でも糖尿病罹患に伴うメンタルヘルス不調について取り上げてきています。


2.5年、10年、15年、20年説


糖尿病とは、そもそも尿を介して、大切なエネルギーであるグルコースを捨てなければなりません。血糖値が200㎎/dlを超す状態では、高くなったグルコースが、あたかもサビのように、体内に沈着し始めます。そうならないように、一定の濃度を超えた糖分は、尿で捨てられていきます。いわば車でいうならば、燃料タンクに穴があいて、ガソリンが漏れ続けるようなものです。その分、ガス欠になるので細胞はエンストとなり、機能低下を引き起こされてしまいます。それが続くと以下のような時系列にそった合併症が出始めます。

 

3. 5年目 神経症状出現<三大合併症の一つ>


ガス欠が5年も続くと、細胞レベルでの合併症の初期症状が自覚され始めます。

いわゆる糖尿病の三大合併症のうち、一番 自覚しやすいのが神経症状ですし、簡単に検査可能ですので、普通の医師は、以下の検査をします。

音叉検査:叩いた音叉をアキレス腱に当て、神経伝導障がいが出ているのか確認する。

②触覚検査:足の指を触ってみて触覚を確認する。

③位置覚検査:足の指を上下 いずれかに動かしてみて、どっちに動かしたのか位置覚を確認する


実際、手足の冷え、陰萎、痺れ。東洋医学では血虚や気虚にあたります。免疫応答にも支障が出るので風邪に罹りやすくなったりと、抵抗力も落ち始めます。


また、以下の検査もします。

④眼底検査:出血といった血管が欠陥化の確認のため。

→糖尿病患者に、定期的に眼底検査を支持しない医師は医療過誤を犯しています。


⑤尿中アルブミン検査:腎臓という、血液をろ過することで、体内の余計な老廃物や水分を尿とともに体外に排泄する臓器への影響が出ないのかの確認が必要です。この腎機能への影響を、尿検査という、侵襲の少ない簡便な検査で把握可能なのが尿中アルブミン検査です。尿中にアルブミンという、タンパク質より低分子であるが、本来は漏らしてはならない栄養素が検出されます。すなわち、腎機能障がいが確認されえますので検査し始めます。


⑥eGFR値推定:18歳以上かつ血液検査をする必要がありますが、血中クレアチニンの濃度測定も有用な情報が得られます。

このクレアチニンは、いわば体内の老廃物であり、血中濃度が高くなるということは、腎臓からの排泄が低下していることを示唆します。つまりは腎機能低下が進んでいることが推定できます。具体的には血中クレアチニン値の増加と、反比例しての「eGFR」値の低下が確認されたら、腎機能低下が「腎症」という腎障害としての区分が必要になります。

その腎障害としての区分・・・具体的には病期分類も必要になります。それも自動計算できたらどんなに便利でしょうか。 それが「腎機能チェックツール」 です。「eGFR」の推移をグラフ表示することも可能です。

出典:公益社団法人日本糖尿病協会

 

 

4.10年目  網膜症や腎症出現<三大合併症の2つ>

合併症の中期症状として、臓器レベルで障がいが確認され始めます。

 

視機能障がい

自覚しえるのは視力の低下や悪化です。眼底検査をすると、眼底出血というように、眼底で把握可能な微小血管が欠陥化し、至るところで出血していることが確認されます。眼底だけではなく、皮下出血で確認される場合もあります。むろん、脳血管も障がいされていて、つまりは脳出血を起こしてしまう方もいます。


腎機能障がい

血中クレアチニン値より腎機能そのものを推測しえるという「eGFR」値があることは前述したとおりです。

この「eGFR」とは、1分間あたりの腎臓による血液ろ過量です。正常だと1分間におおよそ100mlの血液をろ過しています。

これが60mlを切る頃には、血中クレアチニン濃度では1㎎/dlを超える頃です。
実際、この60ml未満に下がっていると「慢性腎臓病」と判断されてしまいます。


5.15年目 三大合併症の腎症が透析か網膜症が失明に至る頃


三大合併症も、糖尿病となって15年も経過すると、末期症状を呈します。臓器レベルでの障がいが、もう回復は不能な状態にまで悪化しています。

網膜症は失明レベル。腎障がいは透析導入レベルにまで悪化します。

腎不全レベル:先ほどの「eGFR」という1分間あたりの腎臓による血液ろ過量(正常だと1分間におおよそ100ml)が30ml未満になったら腎不全です。 これが1桁になったら透析に移行します。

なお透析を一人に提供するのに医療費は月に40~50万は要します。年間では500~600万にもなります。健康保険組合が廃止となる大きな理由の一つです。


6.20年目 死亡する頃


糖尿病になって何ら対策や治療を行わないと、余命は20年ということです。

以上、「メタボリッ苦 ドミノ」倒し させないための支援プログラムは以下です。

参考サイト:健康経営|EAP(従業員支援プログラム)サービス



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