DIETポストセブン|メンタル産業医による「コロナうつ」対策記事掲載(20/09/21)

メンタル産業医で知られる合同会社パラゴン(東京都港区)代表のメンタル産業医の命名者である櫻澤博文による『テレワーク時代の食の新習慣とは?|「スナッキングフード」が健康的に在宅勤務を行うカギに』がDIETポストセブン  2020年9月21日に掲載されました。

芸能人の相次ぐ自死(自殺)が物語るように、コロナ禍下、「コロナうつ」といわれる仕事の激変、テレワークに伴う心身不調、そして肥満の解消までも解消できる方法を紹介しています。

参考サイト:テレワーク時代の食の新習慣とは?|「スナッキングフード」が健康的に在宅勤務を行うカギに.DIETポストセブン  2020年9月21日

出典:産業医教える新テレワーク習慣

産業医もおすすめ ストレスを溜めにくい食習慣とは

 

イライラしたとき、ムシャクシャしたとき、つい甘いお菓子やポテトチップスに手が伸び、後日、体重計に身を委ねた際、「アッ! あの時のお菓子が!・・・・」と反省したこと、“あるある”ですよね。このようにストレスを感じた際、つい食べ物に手が伸びてしまうように、摂食行動の背景には、感情(気持ち)が深く関わっているとはストレス対策に詳しい「メンタル産業医」の命名者である当社代表の言葉。

確かに“やけ食い”・“やけ酒”という言葉があるように、感情(気持ち)と摂食行動には脳内ホルモンが関係しているから、コントロールし辛い部分があります。しかしながら不満や不安を感じたからといって、気の向くまま食べていると、 “メタボリックうつ”という言葉が提唱されてもう20年にはなりましょうか。ゆくゆくは本格的なメンタル面での不調に至ってしまいかねません。そこで今回は、食べ過ぎとその結果、後悔しなくて済む方法をご紹介します。

“エモーショナル・イーティング”とは、ネガティブな感情によるストレス反応

お腹がすいたら食事をとることは動物として自然な行為です。しかし、イライラしたり、落ち込んだりしたときは、お腹がすいていないのにもかかわらず、甘いものや脂っこいものについ手を伸ばしすこと、し続けていませんでしょうか? これは、ネガティブな感情による摂食行動という意味で “エモーショナル・イーティング(エモ食べ)”といわれる、ストレス反応の1つです。 

悪しき「エモーショナル・イーティング」を防ぐためには、気分転換や運動など心理面と身体面から、良い対応を執る方法があること、解明されています。

「抑圧」とうい専門用語があるように、食べたい衝動を我慢するということは別のストレスを引き起こしかねません。別のストレスを発生させず、かつ簡単に実行できる方法が2つあるそうです。それは「食べる内容や中身」と「食べるタイミング」の見直しです。

 

糖質&脂質過多な食べ物は、ネガティブな感情を紛らわす麻薬

甘いものや脂っこいものを食べると幸せな気分になりませんでしょうか? 

甘いものは、“大食漢”である脳神経のエネルギーとしてすぐ利用されるからすぐ充足感を得られます。
高脂肪の食品は、少量でも高カロリーのため、それをおいしいと感じる味覚をもち、積極的に捕食してきた祖先のみが淘汰されずに生存してきたという、生物学的進化の産物なのです。おいしいと感じるものを食べると、脳の報酬系という回路が活性化し、β-エンドルフィンのような、いわゆる“脳内麻薬”といわれる多幸感を感じられる物質が神経細胞から、いわば自動的に分泌されます。空腹にもかかわらずイライラしたり、落ち込んだだけでお菓子に手がのびてしまうのは、食べることで自動的に分泌される脳内麻薬による多幸感を求めているからなのです。

ヒトが生きていくためには、栄養補給が必要です。高カロリーの食品を摂取すればするほど、ご褒美的に報酬系回路が活性化され、より多くの幸せな気分を満喫できるようになるのです。

このように人類は長い間飢餓と戦ってきたため、効率的にエネルギーを摂取するために巧妙な脳の仕組みを装備してきました。しかし、この飽食の時代では、容易に手に入る高カロリー食が悪しき“エモ食べ”を促進し健康を損ねる原因となっています。

“エモ食べ”は、過食を招きメンタル不調や肥満に

“エモ食べ”は、エネルギーを必要としていないのに高カロリー食を摂取してしまう不健康な食事スタイルです。“エモ食べ”を続けていると、糖質や脂質の過食から肥満にはなる一方、ビタミン・無機質・食物繊維は不足するという栄養不良から悪性貧血や生理不順といった身体面での不調が生じます。のみならず“メタボうつ”といわれるメンタル面でも不調にもつながり、自制と自省が利かなくなることからさらなる“エモ食べ”を増幅させしまうという悪循環を生じさせてしまいます。最終的に、いわゆるうつ病(抑うつ病性障がい)やいわゆるパニック(不安障がい)といった、治療に何か月もの休職を余儀なくされるような本格的なメンタル不調に陥るケースも少なくありません。

ポテチや甘い菓子をスナッキングフードに置き換え

“エモ食べ”を解消するには、どうしたらいいでしょうか? 一つには「スナッキングフード」を日々の食生活に活かすことです。「スナッキングフード」とは、おやつでありながら、食事の代替にもなる、間食と食事の“いいとこ取り”どりな新しい食スタイルです。適正なカロリー量と心身に不可欠な栄養素摂取が両立できる健康的な食事スタイルです。

 

スナッキングフードで血糖値を安定させることがポイント

血糖値はモチベーションと深く結びついています。血糖値の急激な上下動は、気分の乱高下や喜怒哀楽の急激な変化をもたらし、チームワーク上、不和やビジネス遂行に波乱をもたらすことがわかっています。この血糖値の急激な上下動は、体内では交感神経や副腎ホルモンの作用であり、元々はストレスを感じた際に引き起こされています。従って血糖値の安定化がビジネスでの成功のカギです。具体的には“エモ食べ”であるポテチや甘いお菓子をスナッキングフード置き換えることです。スナッキングフード摂取にて血糖値の安定とネガティブな感情発生は抑制されます。これがビジネスでの戦略的成功術です。自身、“コンサルタントのコンサルタント”と呼ばれていますが、ビジネスの裏方一筋25年の“キモ”中の“キモ”です

 

夜遅い食事が“エモ食べ”につながる。午後6時のスナッキングフードで予防

「メンタル産業医」とは、単なる産業医ではなく、健康経営に資する研究成果を根拠とする戦略を契約先に提案する産業医を指します。日本人男性労働者を対象にした検討では、夕食時間が遅くなると空腹感が強くなり、いわゆる“ドカ食い”といわれる過食を引き起こし、その過食は新たなストレス反応を高める要因となることがわかりました。また夜遅くまで開店しているスーパーでは、18時頃の積極的な捕食推奨にて帰宅後のドカ食い防止と定期健診結果での改善に貢献しました。

 これら検討結果からも、ランチタイムより6時間は経過するような、望ましい夕食時間である午後6時を過ぎても労働に従事するような職業性ストレスを強いられる場合、神経生理学的見地から心身双方の健康確保のためにスナッキングフードを積極的に摂ることをお勧めします。栄養バランスのよいスナッキングフード摂取にて帰宅後の過食や続発的ストレス反応、更には健診結果への悪影響緩和効果も期待できます。

 

出典:Overeating at dinner time among Japanese workers: Is overeating related to
stress response and late dinner times?
 Appetite 2016;101:8-14(