介護福祉も含めたメンタルヘルスや健康経営で知られる合同会社パラゴン(東京都港区)のパートナー 福島精神保健福祉士が、2015年10月18日にストレスチェック実施者養成研修を修了しました。
受講した感想をまとめてくれましたので掲載します。
ストレスチェックを行うにあたって大切なこととしては、
1>ストレスチェックが総合的なメンタルヘルス対策の一部であるという位置づけの明確化、
2>衛生委員会で、ストレスチェック実施に関する11項目についての調査審議・確認、
3>内部規定の策定と労働者への周知徹底
以上を強調したい。
なぜなら、労働者が制度そのものに対する理解が十分でなければ、事業者に対する不信感に直結、また、正確な回答が得られないことから本来の目的であるメンタルヘルスの対策に繋がらないことが危惧されるからである。
また、ストレスチェックを実施する中で、個人情報の取り扱い、労働者に対する不利益取り扱いの防止には、特段の注意が必要である。
例えば、ストレスチェックの実施方法には、事業場の職員が実施事務従事者を担う場合と外部機関への委託があるが、前者の場合には、特に個人情報の管理には慎重を期する必要がある。なぜなら、人事考査部署に所属して、いわゆる「人事権」の補佐業務を行っているケースも往々にしてあるため、情報漏えいを危惧する社員が出る可能性があるものと想定される。外部機関への委託であれば、人事権との兼ね合いは皆無であるため、外部機関への委託が個人情報保護の観点からは、社員の安心感がまるで違う方法であること、養成研修でも学ぶことが出来た。
なお、ストレスチェック実施後において、およそ10%の方が「高ストレス者」と区分される場合がある。受検者の1割もが、医師による面談指導の対象となると、医師の負担も、ストレスチェックの実施義務がある企業側にとっての出費も少なからず生じてしまう。解決方法としては、精神保健福祉士を含めた経験豊富な心理職による「補足面談」談の活用が期待される内容であった。
出典:理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(改正 平成30年8月22日 心理的な負担の程度を把握するための検査等指針公示第3号)
また2015年11月25日に熊本産業保健総合支援センター 相談員、医師・薬剤師・労働衛生コンサルタントの古海 勝彦先生による「ストレスチェックの使い方」の研修会も福島精神保健福祉士が参加し以下の報告が届けられました。
【予約状況】 1か月前にはすでに満席でした。キャンセル待ちが出る位の申し込み状況であり、現場の期待の大きさが感じられました。
【講師のお人柄】古海先生は、研修が始まる前に参加者一人一人に声を掛けられており、和やかなムードが形成されていました。
【研修で学べたこと】
①ストレスチェックをシステムで管理する上で不具合が生じた場合、システム管理者が対応することになると、プライバシーが守られなくなる危惧があるため、
システム管理者も、個人情報保護の観点から、実施事務従事者としたほうが良いとのご解説がありました。
≪感想≫ IT会社が、このストレスチェック制度に参入しているが、そのような企業との契約には、プライバシーが侵害される危険性があることが解りました。
その点、特定社会保険労務士がシステム管理をしながら、かつ、当然のように実施事務従事者として位置づけられいる『職業性ストレスチェック実施センター』は最高の仕組みであることが保証されたものと理解出来ました。
②高ストレス者であり面接を希望する者は、業務を中断し面接を受けることになる場合があります。同じ部署の社員に気づかれないような面接制度にすることも可能です。むろん、そのためには、安全衛生委員会で予め所属長に対する守秘義務を決めておく必要があります。
③ストレスチェックを行うにあたっては、基本方針の表明が一番大事と強調されていました。。
ストレスチェック受検者のうち、「高ストレス者」だとの区部は各事業所で独自に設定できる。だからといって面談をしないという企業が出てきては本末転倒。ストレスチェックの実施は、健康経営にさえ寄与しえるものだからでした。
参加者のほとんどが、古海先生からのこのご説明に共鳴、共感していました。
以上。確かにストレスチェック制度が法制化されたものの、医師との面談を拒否する方が多くいます。健康経営に資するストレスチェック制度になるよう、合同会社パラゴン一同も取り組んでいくという決意を新たにしました。