新型コロナウイルス感染症対策④|実効再生産数からみた感染の収束状況(20/05/10)
トップページ > 新型コロナウイルス感染症対策④|実効再生産数からみた感染の収束状況(20/05/10)

新型コロナウイルス感染症対策④|実効再生産数からみた感染の収束状況(20/05/10)

2020年05月10日(日)1:50 午前

パンデミックに対する有効な基本的対策は、イ:感染者の流入阻止ロ:検査による早期発見と早期治療、そして市民からの隔離です。

その基本的対策の実施状況を産業医として把握すること大切ですので、ここで俯瞰してみましょう。

指定感染症法第2類に2020年1月28日に指定されたことより、保健所が検査の受付と管理、地域の衛生研究所が検査実施の主体となりました。

ここで以下の課題が生じてしまいました。

課題1:症状の申告をさせるだけで海外から感染を輸入し続けた。

課題2:この30年で45%も減った保健所数

 

課題1:日本での対応が諸外国と異なったのは、検疫体制にあります。

日本政府は2月1日以降も、特段の事情があれば、以下のいずれかに該当する方々でも日本上陸を認めていました

      (1) 日本上陸前の14日以内に,中華人民共和国湖北省に滞在した外国人
      (2) 湖北省で発行された中国旅券を所持する外国人

その頃ベトナム政府でいうならば、2月5日に中国からの渡航者の入国を禁じました

中国元首を国賓として招くことにより第1波の感染源であった中国からの。オリンピック開催を控えていたことからの第2波の流行の中心であった欧州からの感染者流入阻止措置を講じることが遅れてしまいました。入国者や帰国者の国内での電話追跡任務が保健所に任せられました。諸外国では、外出状況が確認できる電子機器を活用したのに比すると、電話での所在確認という、性善説的対応しかできなかったため、自由な往来が許容されてしまって、地域への感染が拡大してしまいました(「Youは何しに日本へ」というテレビ番組で取り上げられているように、深くかつ広く、外国人は日本に進入しています。むろん、「インバウンド」という名の外需頼み経済政策が、ここ数年の国策でもあったわけで)。

課題2:そもそも平成3年に852か所あった保健所の数が令和2年には469へと45%も減少しています。その分、電子政府化が進んでいるかというと、wifi環境さえないないとの悲鳴が現場から出ています。そして上記の電話での所在確認だけでも人員が割かれてしまいます。検体の採取や運搬搬送も保健所の役目です。そして保健所や衛生研究所での検査結果のやり取りは、固定電話かFAXです。衛生研究所は長年の予算削減よりPCR検査の大半は手作業です。そして陽性または陰性というデジタル情報が紙に打ち出され、電子変換されたにもかかわらずの手入力という昭和時代での処理しかできません。


以上より37.5度以上の発熱が最低4日以上続かないと検査の対象にしないということが明示の了解とするほかないばかりか、中には体温の高い順番でしかPCR検査の受検が実際上、受けられない状況が出てしまいました。

くわえて誰からうつされたのか不明なPCR検査陽性者数が過半数を超過してしまうという、いわゆる「封じ込め」には失敗し、感染蔓延期に入らせてしまいました。そうなると、市民一人ひとりは自衛の手段である外出自粛を行う他なくなります。結果として自営業者や法人としては生産活動の停止という経済活動の閉鎖に追い込まれました。

そんな市民の命がけの闘いの成果として複数日、新型コロナウイルスに対する新規PCR検査陽性者が出ていない地域が続出し始めています。ではいつ、この経済活動の閉鎖はいつ、どのような目安で解除すべきでしょうか。

その議論の基本として以下をご覧ください。

新型コロナは沈静化しつつある!?【5月5日・西浦氏の致命的なミス・リターンズ】再追あり》

ABO Fan氏が「8割おじさん」による自粛要請の根拠や効果を検証した上で、実効基本再生産数が、上記イの遅ればせながらの行使によって、すでに感染収束状況が終息に向かっていること、紹介しています。




は、Rt(実効再生産数)が増大した時期です。

2月の第一波は中国(武漢)からの帰国者、
3月のより強力な第二波はヨーロッパからの帰国者に拠る(同氏の5/2の記事を参照)

その間のでは外出自粛などしていないのに、Rtは低下しています。

その理由は池田信夫氏のツイッター の2020年5月2日午後11時21分発 以下引用部分が説明しています

——————
SIRモデルは閉鎖系なので、今回のように海外からの帰国者が感染源になる場合には使えない。
少数の感染源から指数関数で増えたのではなく、感染源になる帰国者が増え、帰国制限された3月末で増加が止まった

Cは、国民への自粛が効果が出る前からなので、 水際対策(欧州からの入国制限)したことで再生産数が下がったと考えられます。
———————

ここで引用を終わります。

5月に入ってからの全国でのRtは0.5とのことでした。

等比数列の和の公式より Σ(0.5)k-1乗(kは1から∞まで)は1です。 つまり、計算上、感染が無限大拡大したとしても同数で済みます。

東京でのRtは0.3でした。同様に感染が無限大に拡大したとしても1を切ります。つまりは東京での感染拡大は収束しえる状況となっています。

 

ただしここで忘れてはならない課題があります。それは装備が昭和時代のままなのは保健所や衛生研究所だけではありません。国が医療や保健福祉制度を平成年代、時代遅れのものでとどめるかのような診療報酬のマイナス改訂という、衰退に至る政策を執行し続けてきた余波は医療機関や医療職でも当然に呈しています。実際、マスクやアルコールの品切れ、医療職への迫害ぶりは、科学立国という言葉が平成時代の間に死語となったという現実を示すものでしょう。
医療職への負担を軽減するためには、大阪府のように、デフォルトで患者受入重症病床使用率が60%を切っているかどうか示すことで病床のひっ迫率を低値に維持させるといった行政サービスを提供することも重要な目安となりましょう。

それが把握できるのが以下。

対策病床使用率

空きベッド数の増加と感染の収束状況とは比していると考えます。

 

2020年5月18日追記

GDPマイナス3.4%の衝撃解説動画

 

 



«   |   »


合同会社 パラゴン
モバイルサイト