新型コロナウイルスはすでにマイクロ飛沫感染(≒空気感染)レベルであり、普通の市販マスクでは、ウイルス感染防止効果は限定的だとのまとめを記載したのは2020年02月03日の「産業医による新型コロナウイルス感染症対策」第10報においてでした。実際、労働安全衛生の観点を踏まえる産業医の集団、合同会社パラゴン(東京都港区)として、きちんと労働衛生工学という科学性に立脚するならば、濾過率といった工学の先駆者が考案してきた人類共通の資産を軽んじることはできません。
なぜなら量・反応関係がある電離放射線による人体への悪影響に関して思いおこしてください。2011年の東日本大震災の後、放射線による人体への悪影響評価が、なぜだか急に緩和された(高い危険性が下げられた)ことがありました。
その後実際に電離放射線被ばく量は増大しています。
マスクには効果がないことを指摘し続けたように、感染力は拡大し続け、いよいよ水痘や麻疹のように、空気感染レベルにまで感染力が増大しています。
出典:CNN. デルタ株、水痘に匹敵する感染力 CDCの内部資料が警告
そこでは、そもそもマスクの網目の大きさとウイルスの大きさを、単純に比較した結果を示した次第でした。ウイルスが野球ボールだとするとマスクの網目の大きさは野球場に近似しえると。
実際2020年7月31日に日本国の新型コロナウイルス感染症対策分科会でもマスクでは感染防止には限界がある実際を通知しています。
<抜粋>
様々な状況証拠から「3密」と「大声」の環境においては、 「飛沫感染」や「接触感染」 に加えて、「マイクロ飛沫感染」が起こりやすいものと考えられている。
「マイクロ飛沫感染」とは、微細な飛沫である5μm未満の粒子が、換気の悪い密室等において空気中を 漂い、少し離れた距離や長い時間において感染が起こる感染経路である
しかしながら社会においては、マスク非装用者を侮蔑するかのような事件が生じています。
では市販のマスクはどれだけろ過しえるのか。その問いを理化学研究所にある「富岳」が計算してくれました。
その結果を示したスライドは参考サイト:2020年10月13日 記者勉強会 オンラインスライド(動画付き)の8枚目から確認できます。
出典:理化学研究所020年10月13日 記者勉強会 講演動画(YouTube 38分10秒)
ウイルス飛沫の3分の1は漏らしているだけではなく、エアロゾルは濾過さえできないこと、証明してくれました。
したがって感染予防には、マスク装用なだけではな不十分で、換気が必要となります。
換気への喚起もされています。
2020年12月7日追記
なお川崎市感染症週報令和2年度第48週によると、感染後発症前2日から発症の間の感染予防効果が期待できるとのことでした。確かにクシャミや咳で呼出されるしぶき吸収効果はあります。