メンタル産業医命名者|大阪保険医雑誌に登場

産業医科大学産業生態科学研究所健康開発科学研究室 大和浩教授のご推挙で、メンタル産業医の命名者でかつ介護支援も含有した健康経営の推進支援に長けた合同会社パラゴン(東京都港区)代表の執筆した「 産業医の育成と課題 」が大阪保険医雑誌2022年4月号に掲載されました。

この「大阪保険医雑誌」は大阪府保険医協会が発行する大阪の開業医向け月刊誌です。

大阪府保険医協会は、大阪府下の開業保険医や勤務医が安心して良い医療を行えるために、また国民医療の改善を進めることをめざした保険医の自主的な団体です。実際、大阪府下、約6千名の開業医が加入されていて、たいして日常の診療や医院の経営、医師としての生活全般にわたるサポートや事業・サービス活動を行っていて、同誌もそのサービス活動の一環として位置付けられています。創刊 49 年目を迎え、発行部数は 7 千部を誇るとのこと。。

同誌編集部によると、昨今、日本医師会認定産業医講習会の受講が人気の高さから難しくなっているとのことでした。その人気の高さや産業医の仕事は具体的に何かなど多くの実態がおぼろげ だとのことでした。その理由として産業医の関係法令では、 産業医は、『労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省 令で定める要件を備えた者』であり、事業者は、『政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める 事項を行わせなければならない。』 と、 資格や設置要件だけで産業医の具体的業務は規定されていないからとのことでした。

当初は現場に合わせた業務を産業医と事業者がすり合わせて労働者の健康管理を行うことが望まれたため、そのような法令になったと思われると編集部は考察されていました。しかし、労働安全衛生法も時を経て、作業環境管理面での安全衛生から、作業管理や健康管理におけるメンタルヘルス対策に重点が変わり、その資質維持が難しくなりつつあるのではないかとのことでした。

以上の背景から、同誌は2022年4月号で改めて産業医の役割を考察する機会を設けることにし特集「 変わりゆく産業医の姿 」が組まれ、以下に加え当社代表の文章が掲載された次第です。
内容の概略のみ紹介します。

〇なにわ医見.遠くて遠い産業医. 猩々

・労働環境の整備は身体面からの なのか? 精神面からなのか? 負うべき責任はどこまであるのか?
・社会に求められている産業医のニーズは何か?
・あいまいもことした産業医の一端がつかめれば

 

特集 変わりゆく産業医の姿

〇総論 「産業医」制度の概要. 大阪社会医学研究所所長  中村 賢治医師

少なくとも、労働安全衛生の歴史からすると、経営者の良心をアテにして、労働者の健康は守られたような気はしない。
・リワークプログラムは、労働者自身の心の特性への気づきや、人間関係を良好に構築するスキルなど、就労するために大切なことを学ぶ良い機会になると考えて、勧めるようにしている。

 

〇これからの時代の産業医に求められる役割とは.厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課 課長 高倉俊二医師

メンタルヘルスに問題のある労働者が増加していることは確か。
・産業構造の変化や労働人口の高年齢化などが影響していると推測。
・結果として労働者の健康障がいリスクは多様化、複雑化
産業医は、定期健診などによって健康障がいリスクについての必要な情報を収集した上で課題を同定、その職場と人々の状況に応じた予防対策を選択していかなければならない

職場のメンタルヘルス対策

・「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、事業場内の体制整備とセルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、外部資源によるケアの4つのケアの実施を推進。
・この4つの悔過は並列するというより重層的なもの。
「こころの耳」はセルフケア促進のための情報提供だけでなく、ラインによるケアに係る管理監督者への教育にも活用できる

テレワークと産業保健

・職場の定期巡視は、感覚的な部分、わずかな違和感に気づいて問題の存在する可能性を掘り下げるような観察・確認が必要になりえるため、オンライン化は困難

職場の健康づくり(THP:Total Health Promotion Plan)

・若い労働者も含め、集団全体で健康増進に取り組むこと
・コラボヘルスを推進すること

これからの産業保健 ~チームのリーダー、プロデューサーとしての産業医~

一次予防を実践していかなければならない
・どのように分担し連携することが産業衛生のパフォーマンスを高めるかは産業医が常に自問し追求すべきテーマ
産業医はプロジェクトリーダーとして、またはプロデューサーとして、事業者との調整、計画づくりや外部機関との連携の構築を主導することがこれからの産業医の活躍する役割となると考えられる。

〇ストレスチェックの実施から見えてきた課題.横山・渡辺クリニック名誉院長/日本精神科産業医協会 渡辺 洋一郎医師

ストレスチェック制度は、ストレスの要因そのもの(ストレス因子)を低減させることを趣旨とした一次予防、職場環境改善のための制度。メンタルヘルス不調の労働者を見つけるための制度ではなく、メンタルヘルス不調の基となるストレス因子を把握し、その低減を図ることでメンタルヘルス不調の発生を未然に防止するためのもの。
その結果として労働者が健康で生き生き働ける職場環境を作ることが結果として組織の業績向上にもつながる。

外部機関に実施者を依頼し、産業医が実施者に入っていない場合にはその事業場のだれもが高ストレス者の譲歩うを知らないという事態もありえ、この場合にはいかにして高ストレス者をフォローするのか重大な危惧を感じる
・集団分析を実施するからには職場環境改善についての認識とその決意をもって臨まなければならない。

・職場の人間関係を扱うとなると、労働者の職業適性、個性に関するそれなりの見識とスキルが要求される。

〇建設現場での健康被害―長年アスベスト被害者と向き合って みずしま内科クリニック 水嶋 潔医師

・労災保険の特別加入制度に加入していない一人親方が多く確認される。
・建設労働者の中には胸膜プラーク等の石綿やじん肺所見が確認される。

会員投稿

◇メンタルヘルスに重きをおく時代の流れ ~わが産業医回想録~.小林知加子医師

・産業医として日ごろ心がけていること:客観的視野を保ちつつ社員・会社どちらの立場も尊重し、双方の解の和が最大となるような着地点を目指す。

◇企業のメンタル差横断をやって思うこと.京谷京子医師

・産業医は、こじれる前に本人の気持ちをしっかり汲み取り、会社との関係をうまく繋ぐ役。

・職種が本人の正確に合っていない場合も退職して新職にチャレンジすることが日本では容易ではない。
・上司は指導の一環としてとらえている場合でも、部下はパワハラと感じている事柄がある。

◇ある産業医の一日.中平雄二医師

・産業医の仕事は、決して感情的にならずに労使双方から意見を聞き取り、互いに親身になって話し合うべく繋ぐ役目。

◇今求められる産業医像とは.宇都宮健弘医師

・産業医には、職員の健康状態にきめ細かい対応が要求され、大きな責任が課せられているので、高をくくっていると手痛いしっぺ返しを

◇時代に適応した「産業医」を.守田由雄医師

ストレスチェック後の対応に不安 -大阪府保険医協会の産業医に関するアンケート結果より-

関心高い「産業医の訴訟リスク」

 

なお 同誌にはブライト・ノアの年齢が19才だったということまで記載されているなど、対象範囲が広くためになる冊子でした。

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