ストレスチェック54|産業医を実施者にするということの重要性について(17/09/24)

健康経営の推進基盤はストレスチェックだとするメンタル産業医の集団、合同会社パラゴン(東京都港区)が俯瞰するに、2015年のストレスチェック制度導入から、年を重ねるたびに多くの企業が、毎年の全国労働衛生週間をマイルストーンといてストレスチェック実施や集団分析の結果を踏まえた働きやすい職場づくりやアクションプランに取り組まれてきています。
 
ここで一つ、確認して欲しいことがあります。確かに「ストレスチェック」の実施主体となれる者として、厚生労働省令で定められた者には、医師、保健師の他に、一定の要件を具有しているか、一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士が含まれてはいます。

しかしながら「ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会」という学識経験者による検討を踏まえた「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する検討会報告書」では、
事業場の状況を日頃から把握している者(産業医等)がストレスチェックの実施者となることが望ましいとしています。

出典:厚生労働省.ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会
出典:厚生労働省.労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する検討会報告書

すなわち、医師であっても単なる医師ではなく、産業医として選任を受けたものがベストであり、それ以外の産業医ではない医師、保健師、そして一定の研修を受けた看護師や精神保健福祉士は望ましいわけではないとの見解が示されているとの理解が可能です。

 

出典:櫻澤博文.ストレスチェック実施後の対策はこれ!うつ予防3法 虎の巻

業者の中には、安くあげられる からと、産業医以外を実施者に据えたり、クラウド産業医といった名義貸しシステムにて、保健師を悪用した欺罔行為を働いている組織まで出ていますが、そのような業者と契約するような企業は、果たして、労働者想いなのかブラック企業ではないのか?との疑問符がつくと考えられます。