2022年6月7日に欧州連合(EU)は経済や社会の活性化に向けて域内の上場企業に対して、2026年半ばまでに
①社外取締役の40%以上 または 全取締役の33%以上を女性とする
②①が未達な企業は理由を対策を公表する
③②が不十分だと罰則が課せられる場合もある
よう義務付けました。
出典:Commission welcomes political agreement on Gender Balance on Corporate Boards
その前からPromoting gender equality & women’s rights beyond the EU を進めています。
確かに日本でも
・女性の管理職が4割を超える企業グループ、
・性別・身分・出自・学歴といった因子ではなくKPI(重要業績評価指標)に基づいた行動指標の立案能力や企業理念・社是・社訓といった企業の成長ベクトルに対して部下を巻き込む能力等の管理能力の是非で管理職を登用している事例
→確かに差別していた医学部の入試にて、差別を撤廃したら女性の入学が多数となった事例を思い出しました。
性的には少数派であっても管理職に登用されず、それが企業の成長力を損なうことにならない取組みを行っている企業は衆知の事実となっていることでしょう。
実際に多くの機関投資家が、tableau等の人工知能による機械学習にてオープンソースを始めとしたビッグデータ解析を通じ、女性取締役の選任をしていなかったり、女性管理職の発言、発声が少ないような上場企業からは資金を引き揚げたり、疑義を挟む余地のある上場企業に対してはこの6月の株主総会前に、いわゆる「ものをいう株主」も質問状を送付したり、実際に質問に立ったりして真贋を見極めようとしている実際が把握されています。
次に
行政も女性活躍推進法と育児・介護休業法を改正し、以下のような工程表にて順次施行していることを取り上げます。
2022年4月1日施行
・常時雇用する労働者が301人以上の大企業のみならず中小企業(101人以上)の事業主も「行動計画の策定・届出」と「女性活躍状況の情報公表」を通じて女性リーダーの登用促進と情報開示を求められるようになりました。
・常時雇用する労働者が101名以上の中小企業にも、以下の2項目から1項目以上の公表義務が課せられました
(1)職業生活に関する機会の提供に関する実績
(2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績
なお大企業は上記の各区分から1項目以上(合計2項目以上)を公表する必要が2020年6月1日から課せられています。
・育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
・有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
・市場区分再編による、「コーポレートガバナンス・コード改訂」への対応も求められるようになりました。
2022年10月1日施行
・男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設
・育児休業の分割取得
2023年4月1日施行
・育児休業の取得の状況の公表の義務付け
実際、機関投資家は、女性取締役が最低一人以上存在していないと投資を引き上げるということで、女性弁護士を社外取締役に選任することで「お化粧」する企業が相次いでいます。そういった表面上のメッキではなく、
・きちんと女性管理職を育成していきたい
・優れた女性社員を採用していきたい
・そのためには職業生活と家庭生活を両立したいという女性の意思を尊重すると共に、育児休暇中でもキャリア開発や職能育成が促進されることは当たり前だという、またさせるために必要な環境を整備していきたい
これらの流れを受けてでしょう。健康で幸福な経営を志向する健幸経営を推進している合同会社パラゴン(東京都港区)の理念に共鳴する企業からの問い合わせが寄せられてきています。
健幸経営を志向することで叶えられる価値観や構築しえる就労環境における多様性に向け、具体的には女性が就労しやすい環境づくりを目的として男性の参画も当然に必須事項です。
以上の動きは2022年4月からの改正女性活躍推進法は中小企業・地方と日本全体での対応が求められるアクション課題となったことを意味しているものと理解しております。
女性管理職3割到達予定企業の取組み例
日経WOMAN「女性が活躍する会社BEST100」選考は2022年で20回目を数えます。
この20回目に2位だった損保ジャパン社取締役& 常務執行役員(CHRO・CSuO)酒井 香世子 氏 が「Diversity for Growth」の実現~一人ひとりの能力が最大限に発揮される企業を目指して~ という題にて同社事例を公表していたので、ベンチマークとしえるものと考え取り上げます。
出典:企業講演 「Diversity for Growth」の実現~一人ひとりの能力が最大限に発揮される企業を目指して~|NIKKEI CHANNEL|ジェンダーギャップ会議(2022/5)
2010年頃のGAFAMが実施していた内容を彷彿するとはキャリアコンサルタント大御所のご高見でした。
それらをベンチマークとしたのでしょう。
以下のプロセスと目標値設定を参考にしえましょう。
2023年度末までに女性管理職の割合が3割を超すとのこと。
キャリア支援で知られるのが当社。人口構造の変化から企業側が社員を選考する時代ではなくなっていることを伝えておりましたが、具現化しえた企業が誕生していることに見通していた未来への視野は曇っていなかったものと考えます。
これまでも消費されると廃棄物しか残らない人的資源ではなく、毀損したり滅失する人的資本でもなく、投資対象として考えると利益や利潤を自ら産むようになる人的資産だと述べておりました。採用しようとしても社員として相応しい、それ以上に採用する側の期待に応えられる方を確保することが難しくなっている実際が複数の企業で確認されています。
過去の栄光にすがっている「人在」や悪いことをしている「人罪」(注)は採用しえましょう。
注:ここでの悪いこととは積極的な犯罪だけではなく、自身の心身に対しても悪いことをしているという消極的な損害を与える行為も含む。なぜならそもそも労働力を規定するのは自身の体力。体力を奪うのは不健康な生活習慣。不健康な生活習慣を行うということは、会社の価値を規定する労働力を毀損する行為とみなすことができることから、つまりは反逆行為という「人災」になりえる。
「人財」と呼ばれる出来る方は自ら、活躍したいと伝手を手繰り寄せたりと売り込みに来るものです。チャンスを待つような指示待ち族しかその会社CMに釣られて 採用サイト会社には存在していないものです。
では、そういった「人財」を確保し、人的資源管理を人的資産経営に変えるにはどうしたら良いと同社は示しているのでしょうか。
1 異業種交流会
当社代表に人生の成功方法を伝授くださった「時給10万円コンサルタント」によると、仕事に追いかけられるのではなく、仕事を追いかけよ(そのための方法は南山堂「治療」誌2022年10月号に掲載予定)でした。それは積極的に異業種交流を進め、情報という人情や友情、情熱の報いを入手するためでした(従って当社代表も、異業種交流会をいくつも企画したり参加したりしています)。実際同社も、他業者や他企業との交流が新しい価値を生み出す場となりえるとのことでした。
2 育休者フォーラム
大家族中心時代には、親や兄弟姉妹、祖父母や叔父叔母伯父伯母が育児支援をしていたものでした。核家族が戸籍の中心の今は、先輩をメンターとするよう、おせっかい活動を行う必要があります。「辛いのは一人ではない。先輩も辛かったのだ」「今の辛さは永遠に続くわけではない」といった、辛いときには心理学的視野狭窄に陥ってしまうのが心理学上の特性です。そういった状況に解決という効用、気分の高揚、光明を照らしえるものです。実際に復職時の不安を払拭し得ている方が出ているとのことでした。
3 女性役員との座談会開催
ラウンドテーブル(座談会)を会社の人事労務担当が設けるというお節介をやくことで、縦横ネットワークが構築しえるようになります。ロイヤリティもモチベーションも、モラールも向上しえます。
4 ERG活動
昔、文体活動というのが流行りました。しかし福利厚生ということで企業の生産性には寄与しないといった仮説が流布してしまい、バッサリされてしまいました。その姿形を変えて 舶来品となって戻ってきたのがERG活動。employee resource groupを構築させる活動です。そもそも雇用した社員は、背景も学歴も経験もキャリア・アンカーも多種多様です。更に社外活動を通じて人事労務部門だけでは把握しきれていない能力やノウハウを持ち合わせているもの。その組織の中で共通の特性や人生経験、課題認識を持った労働者同士で社内における課題を、いわば専門委員会のように解決してもらうグループ活動を同社は推進していました。
ダイバーシティもこのERG活動の一つとして解決を、社員の自律的自主性に任せてみています。その多様性を重要視し、ネットワーキングや連帯、主体性を高める上で高い効果があったとのことでした。 今や11サークルあり、うまくいかせる工夫として部長クラスをそのグループ活動の支援役として貢献させているとのことでした。
5 アンコンシャスバイアス研修実施
同社は社内研修プログラムの中にアンコンシャスバイアスの定義や解決方法を位置づけていました。管理職を中心に9千人と2.4万人の社員比で37.5%が参加済でした。
ちなみにアンコンシャスバイアスとしては育児との両立が大変ではないかと女性を変に甘やかせてしまうことも入ります。
出張や残業を依頼しないことも入ります。
悪気はないものの、相手を信頼せずにいる甘やかしに他なりません。
結局のところこの甘やかしは成長や登用の機会を奪うことに帰着しえるわけですので。
のみならず共働きで育児に従事する男性社員にとっては逆差別になるわけで帰属意識を低下させてしまいます。
6 トップ研修
単に上意下達式では、デュポン社定義でも成長や成功にはつながりません。
トップも現状打破に向け「Diversity for Growth」を掲げ、設定した明確な目標値達成に向けて積極的に汗をかくことで、冷や汗をかかないゆ革新の実現を確信しえるよう具体的に行動させることが大切とのことでした。他人と同じことをしていたら、それは人並でしかありません。
革新を実現に、変革を成長に、リスクをクスリに換えていくのが経営者。
なおここでの「シャドウイング」とは、経営者のかばん持ちです。こういう場面でトップはどういう矢面に立たされていて、その際、どのような判断を、どういったことを根拠や理由として行っているのか疑似体験しえます。そういったトップの視座からの視野を持つことを意識してもらうことで「自分だったらどうするだろうか」といった仮説形成や解決に向けたノウハウを学ぶことが可能です。
7 その他の工夫例
ドリームチケット:2002年から運用。社員が、「この仕事をしたい」と、社内公募していなくても、その社員の業務遂行状況や能力を評価した上で会社が認められたら、その応募した仕事を実際にさせているとのことでした。どのような評価と決定プロセスなのか、興味を覚えました。
ジョブ・チャレンジ:700もの社内公募ポストを用意しているとのことでした。確かにキャリアコンサルタントによるキャリア形成支援を行うべきと当社代表も2016年に金剛出版からキャリアコンサルティングに関する書籍を監修出版してもらえた立場。叶えている実存があることに感服しました。
構築方法
骨格、骨子としては以下となります。
<ステップ1>女性の活躍に関する状況把握と課題分析:Check
自社の女性労働者の活躍状況について以下4つの基礎項目(必ず把握すべき項目)から把握し、課題の所在を分析しましょう。
① 採用者に占める女性の割合(労働者に占める女性の割合でも代替可)
② 男女の平均継続勤務年数の差異
③ 月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
④ 管理職に占める女性の割合
<ステップ2>行動計画の策定・社内周知・公表:Plan & Action
課題に基づく1つ以上の数値目標を設定し、課題解決に向けた具体的な施策を「行動計画」としてまとめましょう。その行動計画には、①計画期間、②数値目標、③取り組み内容、④取り組みの実施時期を盛り込むことが必要です。
策定した行動計画はすべての労働者に周知し、外部にも公表します。
行動計画の記載例は以下です。
・ 東京労働局『行動計画策定かんたんガイド』
・ 厚生労働省『女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!』
<ステップ3>行動計画を策定した旨の届出
策定した行動計画は管轄の都道府県労働局へ電子申請が可能です。
<ステップ4>取組の実施と効果の測定:Do
数値目標の達成状況や取組の実施状況を定期的に点検・評価し改善し続けるようにしましょう。
以上はいわばCapーDoサイクル
2022年7月3日追記
2022年7月2日にオオイワスポーツ主催の「川端佑沙DEMOスキーセミナー」がありました。
司会進行の粟野利信氏(かぐらスキースクール校長)の補足説明の精確さ・的確さも手伝って、スキー技術を向上する方策が満載でした。
当ベージの女性活躍推進法との関連でいうならば、川端DEMO(2022~2023年度 ナショナルデモンストレーター)は出産後の方が、第59回全日本スキー技術技術選手権大会での女子総合順位は4位と好成績とのことでした。
その為にトップ選手の滑走の要素分析をしていました。
具体的には脚力や体力、筋力を活かした滑りであると彼我の違いを抽出し、それぞれ出産後に落ちたアウターマッスルに基づく瞬発力や筋力といった部分を、スキー板との滑走中の対話に神経を研ぎ澄まし、体幹からの初動と後続としてインナーマッスルを意識して働かすことで、股関節、膝関節、足関節(更には足趾の指関節も?)を円滑な協調性を発揮するよう戦略を建て直していました。
それらをスキー板のトーションやローテーションといったスキー板に 外力を加えることで 【作用反作用】の法則を基にしたリアクションとして得られる反発力を 回旋力や推進力へと上手に導出させることで、最大筋力で定義づけられる瞬発力を補完する戦術へと進化させ、再現し続けられているものと理解しえました。
写真は技術選における大回りでの左回旋を演技している際の再現状況です。
この場面では、右脚が内脚という役割を果たしています。膝関節を屈曲することで右足の足底面は床と鉛直になっていることがみてとれます。
足関節から足を体軸の下に位置付けることで後傾になることを避けての滑走姿勢を示すに至れています。
左脚足底は雪面に遠心力を伝えつつ逆に雪面からの反発力をもらい、その反発力に耐えられるよう左足→左肢→腰→上半身が いわば弓のようにしなっている様も把握しえます。
なお当人からしたら“表彰台に上がることができず残念でしたね。とよく労いの言葉をかけられるものの、何位であろうと優勝ではない以上、違いはない”との弁がありました。
確かにその姿勢はBest among the bestを提唱する当社の姿勢とも相容れるもので、常にベストを尽くしかつ 最上に位置するトップより、更により多くの努力や尽力をし続けることの大切さを述べると共に、向後もそういった挑戦し続けたい姿勢を表現されたかったものと理解しました。
ここで三井物産会長安永竜夫氏による2022年7月1日日経新聞夕刊「こころの玉手箱」を思い起こしました。
そこに絶え間ない努力があってこそ、USA男子ゴルフ マスターズ選手権大会においてロリー・マキロイ選手とコリン・モリカワ選手の二人とも、バンカーからのチップインバーディというスーパーショットを繰り出すという良運が得られたのだろうという安永氏の推測が記載されていました。
その安永氏も誰にも負けないやるべき努力、逃げ出したい場面でもトップとして譲れない真摯な姿勢をもとに決断を行い続けることで、最高のチーム作りに励んできたことと、所属組織を勝利を掴むための位置へと導くことを為し得てきたからこそ、良い上司や案件み恵まれるという幸運がもたらせれたものと解釈していました。
映画「トップガン マーヴェリック」でのマーベリックも、(トップガン スクールでは)ルーキーな方々に負けないよう、人知れず尽力し続けていたことが、大佐であり続けたというモチーフとして描かれています(根拠例:KAWASAKI GPZ900Rを駆使し続けられていた)。
演じるトム・クルーズにも日ごろからの弛まない鍛錬があればこそだと伝わってきます。
出典:映画『トップガン マーヴェリック』特報 2022年5月27日(金)日米同時公開!(1分24秒)
スポーツとビジネスという勝負の世界やフィールドは異なっていても best among the best とは best effort among the best endeavorであることは共通であり、[努力pays] なのだと感服した次第です。
さて 女性労働者が継続的に持続的に、その持つ労働者性を発揮しえる為に、更なる支援力を健康で幸福な経営を支援する当社としても増強していく所存です。
1981年に橋田壽賀子脚本の「おんな太閤記」がNHK大河ドラマで放映されました。2022年にもNHK BSにて日曜朝に再放送されています。石田佐吉を坂上忍が演じていたりと 時代の流れを知ることはさておき、14話では1981年当時から、男性は「いくさだ」と勝手きまま。佐久間良子演じる寧々の方が家臣間の対立に心をくだいたり、小姓間のいさかいを鎮静したりと城の安堵はおろか、秀吉の代わりに以下を行うシーンが出ていました。
橋田によると
「平社員の女房から大企業の社長夫人になったその中で、女が節目節目で何を考えて夫についていったのか。彼女自身は少しも面白くなかったのかもしれませんが、ほかにそんな面白い人生を送った人はいない」と妻になり、母親の役目を果たし、側室の女性たちの面倒を見、最後に政治家に成長、一人の女性が死ぬまでをたどる過程を見つめることができるのは作者冥利に尽きると語っていたとか。
出典:NHKアーカイブス 大河ドラマ『おんな太閤記』
側室 千種に対して、その産んだ秀勝が死んだ後、秀吉は気持ちが褪めてしまった。中国攻めに向かう秀吉の代わりに千種にお暇を申し伝えることになり、その役どころを担うことで寛容や包容力の高さを示しながら 寧々が心を痛めるという人間性ある演出が出てきます。橋田壽賀子が2022年の今日と比すると40年以上も前に、日本の企業が女性を重宝しなかった姿勢を諫めているように感じられる演出です。
2022年7月9日追加
7月8日日経新聞朝刊2面下に『「女性求む」パーソルに行列』という記事があります。当社代表は産業医として契約させてもらっている企業の衛生委員会にて、このところ女性取締役を企業は任命していないと機関投資家からそっぽを向かれていることを述べていました。それは事実だという証左に他なりません。
なおパーソルキャリア社の該当サービスは以下です。
外部人材活用が当たり前の社会を実現するため、経営課題解決に取り組む企業向けの経営支援サービス「i-common」を「HiPro Biz(ハイプロ ビズ)」
人材活用に課題を抱える中、 企業の兼業・副業による外部人材の活用実績は約1割 プロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro(ハイプロ)」
既存サービスを集約し、外部人材活用が当たり前の社会を目指す