精神科治療学 vol.37増刊号 精神科臨床ライブ
精神科臨床において「陪席」は、問題点の析出、整理、焦点化を行う上で実に有用です。精神病理や診断学は診療全体の一部に過ぎず、治療者の態度や患者との関係性構築の大切さが認識しえる場です。当社代表も、天笠崇先生や伊勢田尭先生の陪席状況を、今も瞼の裏に思い浮かべることがあるとのことでした。
しかしながらコロナ禍下、この陪席がなしえない状況が出現しています。
また、コンビニよろしく手軽、気軽、がしかし適切な診察や診断、治療を受けるには課題が確認されている精神科クリニックチェーンも出現しています(いわゆる「コンビニ受診」問題)。また、本来 産業医は単なる医師では担えません。特別な教育訓練が必須です。しかしながら保健師にその任務を代替させることが本態なのに、それを「健康経営V2」というメッキで被覆するような組織があること、「名ばかり産業医」として世間では問題視されてきています。
そんな複雑化する社会の下、星和書店から出されている「精神科治療学」が、紙上での陪席が体感できるような「精神科診療実況ライブ」という誌面構成をした増刊号を出版しました。
それぞれの分野において第一線で活躍する臨床家の方々より、様々な精神障碍に特有な場面に関して、臨床上の困難を打開するための方策について、実際の患者とのやりとりを逐語的に再現された企画とは、担当編集委員の松本俊彦医師の表現です。
さて、そのような壮大な企画にメンタル産業医の命名者である合同会社パラゴン(東京都港区)が参画しえました。
第1章 統合失調症 5.「病気はすっかり良くなったので、復職を認めてください(産業医に)」-復職を焦る患者への対応-
2022年10月26日発行
当社代表の櫻澤博文は、いわゆる「一億総活躍社会」に向けた働き方改革関連法の成立を受け、2018年にキャリアコンサルタントの活躍が いわゆる過労死等に追い込まれる労働者をゼロにできるとの実像を「キャリアコンサルティングに活かせる 働きやすい職場づくりのヒント」にて紹介する機会を金剛出版からもらいました。その際、共著者全員、印税ゼロと権利関係を放棄した上で安い値段で出版してもらっております。
日本キャリア開発協会刊行の「JCDAジャーナル」が第68号にてを取り上げていました。
またこの日本キャリア開発協会元理事長の立野了嗣様が「精神療法」第44巻第5号の「書評」にて取り上げて下さいました。
しかしキャリアコンサルタントだけでは、多様性ある社会の中、職場におけるメンタルヘルスは対応できなくなっています。その理由の一つちしては、「せん妄」という症状が出ている高齢者に対しては介護保険では対応できず、いわゆる「リファー」先として 健康保険の対象となる医療機関との提携が必要となる実際が確認されているからです。
なお当社代表の櫻澤博文は、精神保健福祉士の参画が必要になると前述の2018年刊行「働きやすい職場づくりのヒント」より前の2014年時点で捉えていたことは、介護支援ページ の【合同会社パラゴンの歩み】にて確認いただけますし、当社契約先でも精神保健福祉士による支援を得ている事例は年々増加しています。
今回、精神保健福祉士の支援が職域でも必要であることを「精神科治療学」も追認してくださったものと理解しております。