産業医解説|令和2年度「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」:建設業より製造業が危険職場
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産業医解説|令和2年度「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」:建設業より製造業が危険職場

2020年03月27日(金)12:20 PM

毎年のように酷暑が国民を苦悩させる中、2020年度も厚生労働省は職場における熱中症予防対策を徹底するため、労働災害防止団体などと連携し、5月から9月まで、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を以下の概要にて合同会社パラゴンの産業医も多く加盟している(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会も主唱者の一員として実施することになりました。


出典:厚生労働省「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」概要

事業場への熱中症予防に関する周知・啓発として令和2年度は熱中症予防のためのセミナーを大幅に拡充するとか。
 
特に作業場所のWBGT値(暑さ指数)を実測して作業に反映させることや、熱がこもりにくい服装にも注意するよう呼びかけるとのこと。

【統計】
出典:2019年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(速報値)」

死亡を含む休業4日以上の死傷者数は790人、うち死亡者数は26人となっています。


[業種別]

発生件数での最多は製造業(21.8%)。過去10年で初めて建設業(18.6%)を追い越しました。

死亡災害については、建設業が10人、製造業と警備業が4人などとなっており、防護服や着ぐるみなど、通気性の悪い衣服を着用していた事例も含まれていることが痛ましい現実を知らせています。

なお製造業、商業などでは屋内で作業に従事していて熱中症を発症している事例も増加しています。

 

[産業医とのかかわり]

「キ 労働衛生管理 体制の 確立」にて事業者、 産業医、 衛生管理者 、 安全衛生推進者 又は衛生推進者 が中心となり 、各種熱中症予防対策について検討 するとともに 、事業場における熱中症予防に係る責任体制の確立を図る必要があります。


[解説]

※1 熱中症
高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れる。

※2 WBGT値
「暑さ指数」のこと。気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。この指数と熱中症患者発生率は25度を境に増加します。くわしくは以下。

参考サイト:環境省熱中症予防情報サイト

 



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