中東呼吸器症候群(MERS)について|健康経営 産業医が紹介
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中東呼吸器症候群(MERS)について|健康経営 産業医が紹介

2015年06月09日(火)11:38 PM

2015年に発生した中東呼吸器症候群(MERS)について健康経営(ウェルビーイング経営)支援型産業医で知られる合同会社パラゴン(東京都港区)が紹介します。

出典:国立感染症研究所.中東呼吸器症候群(MERS)とは(2014年6月9日更新)


MERSの主な症状は、発熱に加えせき、息切れという呼吸器症状です。下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。全ての感染症に共通なように、MERSに感染しても「不顕性感染」という症状が現われない(「キャリア」ともいう)場合や、軽症で済む場合もあります。でも65才以上の高齢者や喫煙という慢性肺疾患、糖尿病という免疫力低下状況にある方、そして肝障害や腎障害、免疫不全といった基礎疾患がある人では重症化する傾向が確認されています。中東地域からMERSの確定患者としてWHOに報告された者のうち、症状が悪化して死亡する割合は、約35%とされています。

このようなMERSに感染した疑いのある患者を診察し、他の疾病であることが明らかでなく、MERSを疑う場合は、最寄りの保健所に連絡の上、対応について相談する必要があります。

都道府県等の検査機関(地方衛生研究所)では、このMERSのスクリーニング検査(MERSコロナウイルスの少なくとも1つの遺伝子領域の確認)を実施することが可能です。地方衛生研究所の検査結果が陽性の場合、国立感染症研究所において確定検査(MERSコロナウイルスの少なくとも2つの遺伝子領域の確認)を行い、ここでも陽性になったものをMERS患者(確定例)とします。

必要に応じて、保健所等による行政対応(入院勧告、患者の搬送・移送、積極的疫学調査等)が開始されます。
なお鳥の風邪や豚の風邪、そして今回はラクダの風邪が人畜共通感染症という、種を超えた感染交雑が続いています。それは今後も続くでしょう。

次に、SARSへの対応経験がある立場から、心配な方へ述べていることを記載します。

視点を 日本の 呼吸器疾患による死亡に目を向けてみましょう。

平成25年に日本人のうち12 万2880 人が肺炎で亡くなり、それは死因3位になっています。

その主な原因は肺炎球菌です。肺炎球菌の方が12万人以上も殺しているといえます。そこで予防接種が接種対象になっています。しかしながら5歳刻み・・・・狭間にいる方は自己負担でも接種して欲しいものです。


死亡統計に戻ります。 うち結核で死亡した方は何人でしょうか。平成24年度には2110人でした。 なお年に2.1万人が新たに結核に新たに罹っています。定常状態と仮定すると、1割が結核で亡くなっているとみなせます。治療法がきちんとしていてもこれだけ亡くなっているのです。 結核の方が 私には MERSより恐ろしく感じます。

なお、代表は豚インフルエンザが流行している時に、家族内で発症が疑われる社員が出たとき、その社員を休ませた方が良いのか、それとも出勤させて良いのかの疑問に対して産業医として回答を導く研究の支援を行いました。


参考サイト:Effective Quarantine Measure Reduced the Total Incidence of Influenza A H1N1 in Workplaces— Another Way to Control H1N1 Flu Pandemic —  JOH 2011;53:287-92



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