産業医による先天性風しん症候群解説(19/02/05)
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産業医による先天性風しん症候群解説(19/02/05)

2019年02月06日(水)9:32 PM

感染症対策にも長けた産業医が勤務する合同会社パラゴン(東京都港区)。これまで危惧してきたことが現実になってしまいました。
あろうことか、2019年第4週に先天性風しん症候群が1件発生したので緊急情報が感染症研究所感染症疫学センター(東京都新宿区戸山)から発せられました。。

そのキーメッセージを抜粋すると以下。

日本において風疹ワクチンは、1977 年8 月~1995 年3 月までは中学生の女子のみが定期接種の対象であった。(中略)

これらのワクチン政策の結果、近年の風疹患者の中心は小児から成人へと変化している。

妊娠20 週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると、胎児にも風疹ウイルスが感染して、眼、耳、心臓に障害をもつ先天性風疹症候群の児が生まれる可能性がある。

妊娠中は風疹含有ワクチンの接種は受けられず、受けた後は2 か月間妊娠を避ける必要があることから、女性は妊娠前に2 回の風疹含有ワクチンを受けておくこと、妊婦の周囲の者に対するワクチン接種を行うことが重要である。

また、2013 年の流行時には64 人の血小板減少性紫斑病と11 人の脳炎合併が報告されたが、2018 年は13 人の血小板減少性紫斑病と1 人の脳炎合併が報告された。30~50 代の男性で風疹に罹ったことがなく、風疹含有ワクチンを受けていないか、あるいは接種歴が不明の場合は、早めにMR ワクチンを受けておくことが奨められる。風疹の抗体検査、風疹含有ワクチン接種に対する費用助成をしている自治体が増加している。居住地の自治体のホームページ等を確認して、対象者に該当する場合は、風疹の抗体検査、風疹含有ワクチンの接種を積極的に受ける事が望ましい。風疹はワクチンで予防可能な感染症である。

実際、横浜市感染症情報センターの感染症情報の2019年03月号にも風しん情報が掲載されました。

 

 

2018年度の横浜市内での風しんの流行状況は、前回大流行時の2013年に匹敵しているそうです。

そして男性が女性の2.6倍、感染していました。

 

 



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