企業の人的資源管理の根幹をなす産業医は、マスコミに踊らされて意味のないマスク購入に狼狽することなく感染状況を確認してみることも大切です。企業内の健康管理を担う産業医にとって、有用な情報を以下にて解説致します。
例えば2020年第5週(1/27-2/2)までの推定累計患者数約600万と、累積罹患率は4.72%でした。
うち 5-9歳代が2割も感染したのに対して、50代はわずか3%で済んでいました。理由は2009年当時に生があった人は、それ以降、その当時、「新型インフルエンザ」と言われ、恐怖におののかせた豚由来H1N1pdmウイルスに、その後、毎年のように曝露され、抵抗力が養生されているからです。
ここで2009年当時のパニック状態を振り返ってみましょう。
2009年8月21日にEODC(欧州疾病予防センター)から発信された「INTERIM RISK ASSESSMENT, Pandemic(H1N1)2009 influenza」情報による第1波の影響試算は以下でした。
感染力 2-3割
入院レベル 1~2%
致死率 0.1~0.2%
2009年10月9日にWHOから出された「Pandemic(H1N1)2009 – rev 69」による南半球での感染拡大による影響報告は、実際、戦慄を覚えたものでした。
症例: ≧378,223
死亡: ≧4,525
致死率1.19%
このH1N1pdm含めた季節性インフルエンザによる致死率は、今でも0.1%程度と推定されています。
そこで、2019-2020シーズン、インフルエンザによって何人の日本人が死んだのか、計算してみましょう。
【計算式】600万×0.1%
【解】6千人
なんと、新型コロナウイルスなんて、怖れる対象ではない位、多くの国民がこの冬、季節性インフルエンザ(以前は致死率1.19%であったH1N1pdm)によって生命を奪われている結果が示されました。