根拠に基づいたインフルエンザ予防接種の在り方について(17/08/28)
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根拠に基づいたインフルエンザ予防接種の在り方について(17/08/28)

2017年08月28日(月)11:28 PM

合同会社パラゴンの産業医は、主治医なのか、産業医なのかどっちつかずな立場の「精神科産業医」や、単なるストレスチェック制度導入に乗じたメンタル対応が得意な産業医ではありません。

感染症疫学やグローバルヘルスに関する情報収集にも余念はありません。これがプロフェッショナル産業医たるゆえんです。

例えばインフルエンザ対策。8月7日には今秋の予防接種株として何が選ばれたのか、伝えています。2016/17シーズン、効果がなかったA香港型を、今度もリピートしていることを問題視しております。その後今もって、専門家が何を根拠に、どうして選んだのかは公開されていません。

そこで、そんな選考方法で良いのか。その為に、昨シーズン(2016/17シーズン)に流行したインフルエンザ株と、昨秋用意されたワクチンとを見比べることで課題を把握し、その上で来るべき2017/18シーズンの流行予測をすることも可能になるかもしれないと考え、分析することにしました。

題材は横浜市衛生研究所の出した情報です。読み解きながら、解説を加えます。

どうして横浜市衛生研究所なのか?

ここは、10月~5月と8か月もの長期にわたって、分離したウイルス株の系統樹分析ができるだけではなく公開するという、地方自治体で比類なき情報発信力があるからです。

 

 

・分離されたウイルスの割合でみると最多はA香港型で4分の3・・・①

一昨年の2015/16シーズンに流行したブタ由来A型(AH1pdm09)はわずか1%・・・・ウイルス株の間でもサバイバルレースがあり、このところ、ブタ由来A型とA香港型とが隔年流行しています。

なお、Aソ連型は2009年に流行したブタ由来A型に駆逐され、2010年以降、確認されていません。

 

・その一番流行ったA香港型のうち、ワクチン効果があったのは3分の1のみ。

すなわちA香港型に関しては3/4×1/3より4分の1しか効果は得られなかった…・②。

・その他のブタ由来A型とB型二つは効果があった。

合計すると、②+(1-①)×1=1/4+(1-3/4)  より1/2 すなわち、

昨シーズンは、流行の半分しか抑止する効果はなかったという、外れ年になりました。専門家は反省しているのでしょうか??

・実際、入院重症例はA香港型から多く出ており、死亡例まで横浜市の統計から出てしまっていること、確認できます。

 

・A香港型が流行したにも関わらず、ワクチン効果が得られなかった理由は、狙った3C2Aというタイプが流行ったのは確かですが、このタイプが更にABCDの4タイプに分化して進化し、4タイプがバラバラに流行したからでした。一つひとつ確認すると57パターンが把握されています。

 

この先は、横浜市衛生研究所も、ワクチン株を択んだ厚生労働省も解釈を記載していません。

 

 

2017/18シーズンに対する国立感染症研究所開催の『インフルエンザワクチン株選定のための検討会議』は未だ公開されていません。

 

合同会社パラゴンとして解釈すると、敵は大したものです。ワクチン株とは異なるパターンを最低57も作り出して、ワクチンの効果を相殺しようと進化しているのではないでしょうか。

 

なお来年は、昨シーズンでも効果がなかったA香港型予防接種しか用意できていない中です。隔年流行のこれまでの等差間隔からも、ブタ由来A型が流行する年であっても欲しいものです。

なお、この「(H1N1)pdm09」に関する予防接種株に関してです。
WHOはA/ミシガン/45/2015 を 推奨している中、日本はA/シンガポール/GP1908/2015と、それに沿っています。WHOが推奨しているのは「A/Michigan/45/2015 (H1N1)pdm09-like virus」です。A/シンガポール/GP1908/2015も。WHOが示している「A/Michigan/45/2015 (H1N1)pdm09-like virus」の中に入っているからです。

吉と出るか凶と出るか。

以上 情報提供 竹田こどもクリニック 竹田弘先生のご指導も踏まえて改訂いたしました。

 



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