産業医によるコロナ禍検証|世界初確認は2020年1月10日

合同会社パラゴンの代表医師は2003年のSARS流行時、渡航自粛地域だったトロントを通過したことから国内で唯一、産業医から自宅隔離措置を講じられた経験を持ちます。

健幸(ウェルビーイング)経営支援型産業医を標ぼうする当社は発足以来、メンタルヘルスの推進者である産業医への支援に加え感染症対策においても、科学的根拠ある情報を全国の産業医や衛生管理者にこのブログを介して紹介してきました。

さて2020年早々の1月3日に中国から発表された新型呼吸器感染症。原因はSARSと同じようにコロナウイルスによる可能性が高いことを最も早く取り上げたのはイギリス政府。
プロフェッショナル産業医として知られる合同会社パラゴンも、2020年1月11日時点で今回の新型コロナウイルスによる感染だと追認しました。

【イギリス政府による対策】

2020年1月10日に予防ガイドラインが示されました。

出典:Guidance COVID-19: infection prevention and control (IPC)

保護具や患者検体の取り扱いまで仔細の説明があります(ただし英語)。

「 EN 149:2001」認証を受けた「FFP3」クラスの呼吸用保護具をフィットテストにて空気漏れが生じていないことを確認した上で。
眼球保護も忘れずに(インフルエンザも眼瞼結膜といった粘膜から感染します)。
使い捨てのキャップ、手袋、下半身まで覆えるガウンテクニック、感染疑い例と相対する時には細心の注意を払うこと等の対策が必要とあります。

【一般的な注意事項】

現時点では医療従事者の感染や死亡例の報告 はないとされていますが、出てからでは遅いのがSARS流行時の教訓でした。
武漢市を中心とした滞在歴がある方には 、そのご家族も含め(★)帰国後数週間は健康 状態を観察してもらい、呼吸器症 状がみられる場合は、マ スクの着用を中心とした咳エチケッ トなど十分な注意をした上での 医療機関受診が賢明です。

★当社代表参画のAH1pdm対策成果を元にした以下の疫学的根拠あり

参考サイト:An effective quarantine measure reduced the total incidence of influenza A H1N1 in the workplace: another way to control the H1N1 flu pandemic.J Occup .
Health. 2011;53(4):287-92.

→ 6つもの論文に引用されています(2021年6月28日現在)

参考情報】

 SARSは2003年に流行。同年、中国本土では349人、香港で299人が死亡したとの情報があるが、世界保健機関(WHO)は、それは実数より過少だと中国を批判。

WHOによると、全世界で8000人以上が感染したそのSARSウイルスは、中国南部の広東(Guangdong)省で発生したとみられている。