メンタル産業医とレジリエンス向上にて健康経営③|適応力

メンタル産業医で知られる合同会社パラゴン(東京都港区)がによる健康経営のためのストレス耐性を高める方法を紹介するシリーズ「レジリエンスを高める」その3です。

 

初回はレジリエンス(Resilience)の定義を元に、レジリエンスを高めるために必要な構成要素を紹介しました。今回は適応力の高め方を紹介します。

 

 

その2.適応力

レジリエンスは、「精神的なしなやかさ」という意味合いを持ちますが、その意味の通り「しなやかさ」や「柔軟性」の意味するところを考えることはとても重要です。
なぜなら、ストレスに対しては 柳よろしく しなやかに受けるマイナスエネルギーを逸らしたり、柔の心で柔軟に受け流す方が、真正面からストレスに〝ガチンコ”で衝突するより有効とされています。更にはガチンコ勝負をすることそものもは、「レジリエンスが低い」と捉えることも可能です。

物事の捉え方が通り一遍で、つまりは頭が固く、「完璧主義」や「こだわりが強い」という指摘を受けているような性格を持つ者は、柔軟性に乏しいことから、自分を追い込んでしまいやすく、精神的にストレスを受けやすい性格と言われています。

実際、うつ病の病前性格として知られる『メランコリー親和型性格』も、「真面目で責任感が強く、完璧主義」な特徴を持っています。

そもそも人生、思い通りにならないものです。実際に理不尽なことや期待通りにはいかないことはたくさんあります。それが生きているということでもあります。
思い通りにならない事象に遭遇した際に「仕方ないことだ」と 前向きにあきらめたり、受け入れたりといった適応力を持てる方がレジリエンスは高くなります。

むろん、以上のことから何に対してでもすぐに諦めたら良いというような簡単な話ではありません。
自分なりに一生懸命がんばっても、それでも思い通りにいかないことは、良い意味で諦めたり、上手くいかない現実を受け入れることの方が大切な可能性があります。すなわち、適性や適職に合っている可能性があるということです。

「まぁ人生、こんなこともあるだろう」と適度な楽観的をもって受容出来るという、人生への適応力の高さは、レジリエンスの高さとも比例しています。

 

出典:教職員メンタルヘルス通信.レジリエンスを高める