2021年版「女性が活躍する会社ベスト100」で初めて首位となった会社の初代専属産業医は、メンタル産業医命名者である合同会社パラゴン(東京都港区)代表櫻澤博文でした。
出典:日本経済新聞2021年5月7日.日経ウーマン「女性が活躍する会社」アクセンチュア1位 長時間労働改善、働きやすく
当社代表が初代専属産業医を務めていたのは2004年4月から2007年3月のことで、「女性が活躍する会社ベスト(以下:ベスト)」のきっかけとなった出来事としては、2006年度までに以下を実施してもらったことからでした。
女性のITコンサルタントやシステムエンジニアでも、家庭と仕事が両立出来るようにと、「Women’s initiatives」と銘打たれていた女性の就労支援制度拡充を支援し、結果的に、「くるみん」(子育て支援行動計画認定)まで取得するに至った。
参考サイト:プロフェッショナル産業医提唱者が紹介|健康経営の屹立が可能な各種両立支援情報サイト
2021年度にベストとなった企業の17年前の2004年頃は、「UP or OUT」という、今でいうブラック企業の代名詞として語るにふさわしい社内隠語があり、さすが外資系は違うと感銘を受けたものでした。
でも「焼き畑式人事労務」では成長持続性はありえないと見抜き、「開墾式人事労務」を提唱し、2004年度から。折しも現場は「革新を実現に」を掲げていたことから人事労務担当者や更には経営層とも一体となっての就労支援策の構築、維持、発展となるため、どのような戦略を練り、どのような戦術を展開したらよいのか、それら具体例を紹介します。
今でこそ当社は健幸経営(ウェルビーイング経営)支援に長けたプロフェッショナル産業医のリーディングカンパニーとして知られているきっかけとなった事案でした。
◆ 日本法人初の専属産業医として、週5日勤務の上、同社の産業保健・労働安全衛生管理体制構築に従事。管理対象には、関係会社であるATS社とMS社との合弁法人であるアバナード社の社員も含むようにした(今でいう同一労働同一賃金のさきがけ)。
◆ 第二種衛生管理者国家資格試験対策講座を開催し、法定客足数の2倍以上の衛生管理者を養成。
→初代 主任衛生管理者から、「世の中の精神科医はきちんと診断も治療もしていない。その解決を行って欲しい」と宣下あり。
後年になりましたが上記の記述疫学からの考察と、【「不治」も出る】問題に対峙することになったので、併せての解決策を提起
出典:産業精神保健における実務的課題と解決策検討.精神神経学雑誌;2010:112(5)478-83
出典:産業医からみた精神医療の疫学的検討と処方箋.精神神経学雑誌;2011:113SS131-8
出典:科学的根拠に基づいた公衆衛生政策の推進―精神保健版―.日本公衆衛生雑誌 2013;60(10)特別付録,122
出典:エビデンスなき里のコウモリ -精神保健福祉政策の有効性を問うー. 臨床評価 2014;41:619-26
出典:第72回日本公衆衛生学会シンポジウム『科学的根拠に基づいた公衆衛生政策の推進 : 精神保健版』に参加して.健康開発2014年18巻3号;79-85
出典:科学的根拠に基づいた精神保健政策の推進.安全衛生コンサルタント2014;34:54-57
◆ 専任衛生管理者として、保健師を雇用してもらった。
◆ 衛生管理者が出席する衛生委員会の毎月の開催を定常化してもらった。
◆ 「ためし」出社~「慣らし」出社制度を 整備し休職中からの復職支援を実施。
DSM-Ⅳ-TRに基づいた診断と認知行動療法の実践を行った。
◆ 定期健診結果の判定と事後措置、そして健診結果の社員による参照をインターネット上で実施しえるシステムを構築してもらった。
以下の2点の特徴を兼ね揃えたシステムはパートナー企業より「健診結果管理システム」として運用・販売されています。
- フラミンガム研究に基づく心血管障害リスク分析結果を、個人のみではなく、所属集団内の位置や、更には所属集団間の比較も可能な内容とした。
☆導入1年後の有所見者の要医療管理レベルはそれまでの2%台から、1%台へと半減を達成。
◆ 長時間労働者への面接制度を、法改正前から実施してもらった。また、面接対象者の数と割合の多い請負先を毎月職場巡視対象先として抽出し、衛生管理者である人事部長、人事部員らと訪問。
◆ 職場巡視の際には、東京産業保健総合支援センターから照度計、風量計、粉じん濃度計を貸与してもらい、作業環境測定と結果に応じた対策を講じた。
◆ 事業所移転に際して、それまであった喫煙室では必要排風量が確保されていなかった事を根拠に、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(平成15年)を満足する喫煙所を設けてもらい、かつその後、「職場の空気環境の測定方法等」に基づいた定期的な空気環境中の浮遊粉じん濃度、一酸化炭素濃度及び非喫煙場所から喫煙室への気流の風速測定を行ってもらうようにしてもらった。
◆ 統括本部長会議で、長時間労働が恒常的に持続している部署から、精神疾患による休職が多く発生しているリスク分析結果を根拠に、月当たりの残業時間上限を100時間未満とする議案を決議してもらった。そして人事部主導で、“Enforce 9 to 9”という標語での効率的作業を推進してもらった。
◆ 同社のサービスラインには、企業の人的資源管理や人材開発支援も含まれている。事業本部長を始めとしたコンサルタントと協議し、科学的根拠ある身体能力開発方法の検討と、実践支援を「コンサルタントのコンサルタント」として実施。
◆ 毎月一度の雇入れ時研修、年に一度の新任管理職研修、事業本部毎の定期健診結果報告という事後措置の意味合いもある各種 衛生教育制度を構築の上、全58回実施。
☆ 以上を通じる事で、精神疾患発生を年率換算で9% 低減を達成する事に成功。
◆日本人で初のボードメンバーに選出された方に、成功の秘訣をインタビューしたところ、
①「早寝、早起き、朝ごはん」と
②「定期的運動」要素のある、あるスポーツの実践だったことを把握。
①につき 従来の投薬によらず精神疾患を治癒したり、そもそも予防し得る可能性について科学的検証を以下のように実施。
出典:Overeating, late dinner, and perceived stress in Japanese workers. Qbesity Research & Clinical Practice 2016;10:390—8(Impact Factor: 2.094)
出典:Overeating at dinner time among Japanese workers: Is overeating related to stress response and late dinner times? Appetite 2016;101:8-14(IF: 3.125)
出典:Drivers’ Lunch Break, Health, and Work Performance: A Study on Japanese Drivers at a Courier Company Who Skip Lunch. Journal of Nutrition Education and Behavior 2017; 49: S42(IF: 2.869)
出典:Lifestyles and stress according to self-kindness and goal directedness among drivers.Psychology, Community & Health 2019; 8(1): 60-71
②については、別のスポーツ種目ではありますが、当サイトでも以下のように実践かつ実証例として紹介。
参考サイト:ストレス解消、メンタルヘルス向上にスポーツを!メンタル産業医命名者の当社代表、認定スキー指導員に(15/03/08)
以上より生活習慣や社会性の向上支援にて、投薬に頼らなくても職場復帰はおろか、メンタルヘルス不調の予防もできる可能性があることを社会と対話。
出典:持続的な体調不良が軽快化しない事から主治医に不信の念を抱いていた社員に対して産業医が六君子湯を服用するよう提案したところ、順調なる回復と安定した就労継続が可能となった一症例.東方医学 2014;30(3):35-42
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[1] 精神疾患の基礎知識.先見労務管理 2015年4月25日号
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[2] 通院〜休職に入るまでの対応について. 先見労務管理 2015年5 月25日号
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[3] 休職期間(前半)の支援. 先見労務管理 2015年6 月25日号
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[4] 休職期間(後半)の支援. 先見労務管理 2015年7 月25日号
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[5] 復職前から復帰直前までの支援. 先見労務管理 2015年8 月25日号
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[6] 復帰時から復帰後の支援. 先見労務管理 2015年9 月25日号
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[7] 復帰時から復帰後の支援. 先見労務管理 2015年10 月25日号
出典:“うつ”からの職場復帰支援ナビ[8] ポジティブ心理学に基づくメンタル失調防止法. 先見労務管理 2015年11 月25日号
投薬という他力本願ではなく、これら科学的根拠に基づいた自力救済型の継続的な就労支援を担える産業医を「メンタル産業医」と命名し、体系化した教科書を執筆。
出典:ストレスチェック面接医のための「メンタル産業医」入門 . 日本医事新報社:2016
★以下の電子ブックを介して市民にもメンタル疾病発症予防策として展開中
参考サイト:メンタル不調者と支援者のための休職・ 復職 ガイドブック復職後も元気に働き続けるために
参考サイト:ストレスチェック制度対応 メンタル不調者と支援者のためのガイドブック
参考サイト:ストレスチェック実施後の対策はこれ!うつ予防3法 虎の巻