第16回日本外来精神医療学会参加報告:産業医が製薬会社による制約を受けないためには(16/07/10)
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第16回日本外来精神医療学会参加報告:産業医が製薬会社による制約を受けないためには(16/07/10)

2016年07月10日(日)10:34 PM

製薬企業の寄附という制約や学会本部からの補助金という圧力を一切受けずに開催された第16回日本外来精神医療学会に合同会社パラゴン代表社員の櫻澤博文が参加してきました。大学の精神神経学の教授には製薬業界から研究費や講演料、執筆料という、医者の良心を売り渡すような実弾攻撃がなされるため、そういった方々の意見を聴いていては、産業医という職務は果たせません。「精神科産業医」がきちんとした産業医を担うことが難しい理由はここにあります。

そうならないために論じられていたinformationのうち有益なintelligenceを共有致します。

1.ベスリクリニック

減薬プログラムや系統的なクリニカルパスを兼ね揃えた睡眠外来を開設しています。
core value は休職期間短縮で、福祉ではなく損傷治療モデルに基づいた「卒業医療」を患者に享受してもらうために、様々な投薬に頼らないコンテンツが田中伸明院長を筆頭とした同院より提供されていることが把握できました。

主治医からの現在の治療内容に疑問を感じる方、早い職場復帰を希望される労働者、再発や再燃を繰り返す従業員を抱えた企業(やその産業医)にとって有用なコンテンツを提供してくれることと期待できました。

予約やお問い合わせは「初診ご相談フォーム」まで。


2.ストレスチェック実施後の面接医を精神科医に任せることの危惧

独協医科大学越谷病院こころの診療科井原裕教授より、ストレスチェック実施後の面接医を精神科医に任せてしまうことに対して以下の警鐘が発せられていました。
精神科医は予防より治療を本分とする職種であり、初めから「治療ありき」の視点で面接に臨むもの。従って精神科医に面接医をさせると多剤併用療法という多罪療法に労働者を追い込み、医原性慢性抑うつ性障碍を生じさせてしまう。これでは企業の経営体力損失を招くほかない。

→確かに元産業医大ソリューションズ社の亀田先生が危惧したように、心身双方における予防や健康増進が可能なメンタル産業医はせいぜい1千名しか日本にはいない危惧は文章にしました。

ストレスチェック実施後の対策はこれ!うつ予防3法 虎の巻』 に続く複数の解決策が近日中に公開される予定となっています。

 

3.株式会社cotree社のオンラインメンタルヘルスケアサービスの利用時間帯

同社はいち早く、メンタル対応が不得意な産業医の補完や、ストレスチェック時の補足的面談やインテイク面談の提供を通じた企業支援をオンラインで提供しているアントレプナーです。
今回、実際の利用時間帯が紹介されました。
曜日ではまず月曜、次いで火曜が、時間帯では22時台を中心とした夜間の利用頻度が高い結果でした。

<感想>
「ミスター・グッドバーを探して」というダイアン・キートンが主演の映画を思い出しました。主人公 テレサは漆黒の孤独な夜に、なぜ薬物乱用や現実逃避に陥らざるをえないのかの理由を「朝の訪れまでが遠い」と述べるシーンがあります。愛からも逃避した末に悲惨な結末で終わる後味の悪い映画です。
ではなぜテレサが依存症に陥ったのか・・・6歳時に罹患したポリオによる麻痺を11歳時にいくら手術で治したとはいえ、多感な幼少時の心の傷は癒されずに再発に怯えていたのだろうといった心象風景が描ける映画でした。孤独な夜に提供される支援は当時も今も少ない中、オンラインメンタルヘルスケアサービスへの期待感を感じた次第でした。

つづく

 

 Ganzi


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