産業医による平成30年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修参加記

感染症対策情報の発信でもプロフェッショナル産業医として知られる合同会社パラゴン(東京都港区)代表が、平成30年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修に参加しました。

そこで得られた知見と課題を紹介します。

【知見】

致命率39.2%を誇っていた鳥インフルエンザA(H7N9)は、以下で収束した。
①2017年秋にH5とH7の二価不活化の遺伝子組み換え型鳥インフルエンザワクチンを、中国内 全ての鶏と水禽に予防接種した
(中国農林水産省 動物衛生課)。
②2018年5月23日現在、中国の28地域で調査したところ91.26%の家禽が、必要な免疫レベルを獲得した(FAO.Animar Production and Health)

【課題】

★②にも関わらず、化学及び血清療法研究所という、厚生労働省をも欺き続けていた一般財団法人に421.8億円強の血税を投入して、5700万人分のワクチン生産が可能な製造設備を整備させている。

★写真にあるように、小児の場合には、病状初期から十分な観察がないと致命的なケースが2009年のH1N1型インフルエンザでも確認されていた。

平成30年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修

  日  時  平成30年(2018年)10月28日(日) 12:20~16:10(受付開始12:00)
  会  場  イイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区内幸町2-1-1)
         
■講演1 12:25~13:00 (35分)
   2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)対策を振り返る ~想定外を減らし、想定外に動じないために~
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                                     沖縄県立中部病院 感染症内科・地域ケア科医長         高山 義浩 
 ■講演2   13:00~13:35 (35分)
   小児病院における2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)対応
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                                    新潟大学 医学部 小児科学教室 教授    齋藤 昭彦
 ■講演3 13:35~14:10 (35分)
   鳥インフルエンザA (H7N9)と(H5N6)の疫学状況とリスクアセスメント
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                                 国立感染症研究所 感染症疫学センター長    大石 和徳      
<休憩(約15分)>
~第Ⅱ部~
 ■司会 日本感染症学会理事長/東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授                舘田 一博
 ■講演4 14:25~15:00 (35分)
    スペインインフルエンザ・ 2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)の臨床像~パンデミック時の臨床評価の難しさ~
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                           防衛医科大学校 感染症・呼吸器内科教授      川名 明彦
 ■講演5   15:00~15:35 (35分)
    近年の季節性インフルエンザの状況
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                                      国立感染症研究所 感染症疫学センター第二室長      砂川 富正
 ■講演6 15:35~15:45 (10分)
    国の新型インフルエンザ対策の現状
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       厚生労働省 健康局 結核感染症課 新型インフルエンザ対策推進室長      丹藤 昌治 
 ■講演7   15:45~16:10 (25分)
    感染症対策の要諦:新型インフルエンザ対策も含めて
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                                          独立行政法人地域医療機能推進機構 理事長      尾身 茂 

出典:厚生労働省.平成30年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修