毎年9月24日から9月30日は「 結核予防週間」とされ、厚生労働省はは関係者は結核に関する正しい知識の普及啓発を図る期間としています。健康経営に長けたプロフェッショナル産業医として知られる合同会社パラゴン(東京都港区)も結核情報を提供致します。
日本では2016年度に17,625人が新 たに結核患者として登録され、年間1,889人の 方が結核を原因として死亡しています。
翌2017年では16,789人の患者が報告されています。
確かに全国における結核へかかっている患者の割合は年々減少していますが、
人口10万人あたり13.3と「中まん延国」であり、欧米の先進国は結核罹患率が人口10万対10以下の低まん延国になっていることからすると、とても衛生的な環境とは言い難い現状があります。
結核は、咳やくしゃみに含まれる結核菌が体 の中に入ることにより感染し、数ヶ月から数年 間の潜伏期間の後、発症することがあります。
2週間以上持続する咳等がみられる場合には、 できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
□ 痰(たん)のからむ咳が2週間以上続いている
□ 微熱・身体のだるさが2週間以上続いている
上記にチェックが入る場合には結核の可能性があります。
【予防】
BCG接種は小児の結核性髄膜炎や粟粒結核の発病防止にきわめて有効であるとされています。
ただし成人の肺結核に対する発病予防効果は50%程度とされる。
わが国では BCG 接種は、乳幼児期の初回接種のあと、小学校・中学校入学時のツベルクリン反応陰性者に再接種が行われてきた時代もありましたが、2003年度からは乳幼児期の単回接種のみの接種となっています。
【診断】
診断法としてツベルクリン反応検査、エックス線検査、細菌検査などがあります。
ツベルクリン反応検査は結核感染の診断法として有用であり、BCGワクチン接種が行われる際はその対象の選択や評価に用いられてきました。
ツベルクリン反応検査 に用いられる精製ツベルクリン(PPD)は、結核菌の培養液を加熱滅菌後、菌が分泌した300 種類以上のタンパク質を部分精製して得られる。個体が結核菌に感染したり、BCG 接種により免疫を獲得していると、ツベルクリンタンパク質抗原の皮内注射によって、局所に発赤と硬結を伴う遅延型アレルギー反応を惹起する。PPD 0.5マイクログラムを皮内注射して48 時間後の発赤長径を計測するとき、10mm以上を陽性と判定されます。
エックス線検査は結核の発病を診断する方法として、定期健康診断のほか、結核患者が発生 した際の接触者検診(ツベルクリン反応とともに)などで実施されます。
集団感染が疑われるときは、6カ月後、1年後、場合により2年後のエックス線検査が必要となるそうです。