2023年3月5日に東北大学高度教養教育・学生支援機構 大学教育支援センター主催で開催された「日本の「人材育成」を問い直すー大学、企業、政府は何をなすべきかー」にて、日本総研調査部の安井洋輔氏より、「社会人の学び直し(リカレント教育)の活性化と改革」という、リカレント教育の必要性を根拠に基づいて啓発する講演がありました。
確かに【人的資本管理】と名乗っているだけで時代遅れ。労働分配率からも判るように、【人的資産投資】に昇華させるという、これぞ健幸(ウェルビーイング)経営だと産業医契約先に展開している合同会社パラゴン(東京都港区)としても、そして以下 イラストのように当社代表が、「ジンザイ」の違いを表現しているように、キャリア・アンカーに基づきイキイキと自律的自立しえる人的資産投資をより推奨したく、その根拠と対策をまとめた日本総研調査部の安井洋輔氏による取り組みを紹介しながら解説を加えます。
キースライド
リスキリングに値する教授内容へ刷新(実学化)
産業保健における「精神科産業医」という、病気になってからの治療ができる精神科 出身の産業医をありがたがる企業の見識を疑う現実(疾病の発生を予防できるだけではなく、発生させない一次予防もできる「メンタル産業医」が書籍として世に出たのは2016年)だけではありませんでした。
ジョブ型雇用:既得権益を有利にさせず、適材適所が叶う
確かに年功序列や経験市場主義だと、利益相反でもあるのにハラスメント相談窓口の担当課長を人事課長にさせている(当人がそう工作している?)場合があります。「年上好きだから」と公言しながら迫るような事例も防止しえることでしょう。
そのような卑近な例はさておき
「マージナルマン」という、いわゆる「よそ者、バカ者、若者」という特徴を持つのが変革者。
空気も読まず、忖度もせず、「しがらみ」で縛られず、それら旧守を捨てることで自律的自立を得るために、チャレンジし続けることで多様な視点を伴う深い省察や批判的思考、そして失敗の単価を極小化しえるといった【レジリエンス】といった心の糧とを持ち合わせており、【イノベーション】という創造性の源として、古くは司馬懿、日本では黒田官兵衛のように重宝されているものです。
長時間労働の削減
仕事は志事であって、死事にさせないためには、
①体質改善(滋養と強壮)
②適財適所
キャリアコンサルタントによる
キャリア開発に向けた、
キャリア・アンカー(志)に沿った業務配置が適財適所です。
③優先順位付けと報連相に基づく巻き込み
仕事は一生かけても終わりません。過ぎ去った時間は二度と戻ってきません。
形のあるお金でも、天引きという、使ったつもり貯金をしないとたまりません。
「暇になったら」 とか 「時間が空いたら」 とか いう人では、二度と 暇にもなりませんし、後世で時間が空くことはありえません(周囲に居ますよね)。
そもそもIBMではこの優先順位に沿った業務対処が2001年には具現化されていました。
日経新聞でも2004年8月21日には「時間管理 仕事スイスイ」にて、2006年4月22日には「ワーク・ライフ・バランス 実現3か条」として紹介されていました。
柳井正氏も日経ビジネスアソシエ2003年9月2日号で、優先順位のつけ方やオンオフのメリハリのつけ方を紹介していました。
10年後、20年度も企業が、「人財」をその活力や競争力の源泉となる最も大切な資源、資本、そして資産だと理解しているのであれば、積極的にサバティカルや有休休暇の取得を促して、その資質や技術、技能や職能、体力や体調、より大所高所からの対処力を向上するために、労働分配率を高めるものでしょう。そうしなければ、企業を取り巻き続けているグローバル社会×SDGsという内外の環境変化に伴っての再生産性は高めようがありません。研究開発という最先端の驚く位相差顕微鏡や電子顕微鏡で確認可能な「驚く走査線」から、「踊る捜査線」で湾岸署刑事課強行犯係青島俊作係長が 大切さを「報連相」した現場に至るまで、それぞれで求められる能力は 当然に異なるものの、それぞれの「現場」で自律的に自立し得ている「人財」として活躍してもらうならば、それはジョブ型雇用という仕組みが必要なのはよくわかります。
なお当社がジョブ型雇用を取り上げたのは以下が最初でした。
参考:「ブラック産業医」の由来|産業医の職場復帰不可意見が労働紛争の争点に!
リカレント教育をリスキリングへ
「バックミラーを観ながら運転するようなもの」とは当社代表に対して「産業保健と看護」誌が「健康経営」を語って欲しいと依頼をした際、その総論で、産業保健におけるリカレント教育内容等を2019年に評した表現です。
参考:健康経営⑬|「産業保健と看護」誌にプロ産業医の健康経営記事複数掲載
その背景には、1980年代、大学受験予備校での講師や講義内容の変化を受けてでした。
いわゆる東京六大学といった進学先として人気を集める大学教授を招聘しては、講義をさせていたところが前例でした。しかしそれらで教授になるような、いわゆるお行儀が良い講師らは試験問題を教えるわけはなく、人間的魅力なぞなかったのでしょう。いくら激しい競争原理の下とはいえ、
単なる憧れだけで受験生が満足することにはならず、つまりは成果は上がりませんでした。対して、大学紛争でアジテーションしていたような、むろんお行儀が悪かったから大学教授にはなれなかったものの、【多様性】を活かしたい大学によっては非常勤講師をさせるところもあり、そういった、よい意味で焚きつける・・・イグナイトする講師に対してのキャリア支援にもなり、かつ学生側からしたら、無条件・無目的に進学するという「思考停止」から、受験生に進学する意義や意味を熟考する機会を与えるという深考を促し、受験生の未来に新たな価値を見出すというイノベーティブな未来創造を叶えていた時代があったからでした。
実際、ある評価で優秀だとされる人々を集めた 似通った組織よりも、評価は落ちたとはいえ、多種多彩、多様な能力を持つ集団の方が、成果は上がりやいということは、中国の古典「梁山泊」、日本での「信長後記」、「機動戦士ガンダム」でも証明されていました(日本経済新聞社「私の履歴書」を2023年3月に担当されている唐池恒二氏も、旧国鉄に関して、成績優秀者採用時より、体力自慢や根性あるような多様性ある採用を執った2年間の採用者の方が、唐池氏によるとその後、活躍していたとの記述がありました)。
(カープファンとの推測がある)ある方流にいうと
「魅せてもらおうか 上意下達式指揮を執る昭和時代な組織と、今日の「シェアードリーダーシップ」やコーチングスキルをフルに振るうメンターリングがされた組織の効果の違いを。」