メンタル産業医で知られる合同会社パラゴン(東京都港区)による健康経営に向けたストレス耐性を高める方法を紹介するシリーズ「レジリエンスを高める」その2です。
前回はレジリエンス(Resilience)の定義を紹介しました。
今回から、レジリエンスを高めるために必要な構成要素を紹介することにします。
その1.自己肯定感・自己効力感
自分に対して適切な評価を行うことはレジリエンスを高めるための基盤と言っても良いくらい大切な概念です。
ありのままの自分を受容し、自分の持つかけがえのない価値を認められなくなっていると、辛い目にあった際に「自分は〇〇だから」とか、「自分は元々□□だったから」と、どうしようもないことを理由に挙げるという後ろ向き思考が脳の活動を占拠してしまうようになります。その背景には「自己愛」という、か弱く脆弱な精神性があるといわれています。か弱く脆弱なため、損傷に弱く、これ以上の傷つきを避けようとするため、精神的な保身・・・・つまりは自己正当化や傷つく環境からの逃避・・・退行といいますが、殻に閉じこもってしまいます。
また自己評価が低いと、自身の至らないことや自身の欠点にだけに着目するようになって、自らがもつ成長する可能性や成功の芽を自ら摘んでしまい、自身を無価値な存在だと決めつけかねません。幼少期に親から十分な愛情を受けれない環境にあった方は、自己評価が低くなる傾向があります。「参考サイト:引き寄せの法則」からしたら、自己成就ということになります。従って努力することで 叶えられるはずの希望や願望すらも、最初から「どうせ自分が出来るわけない」と諦めてしまいます。もったいないことに成長する芽を自らつぶしてしまうようなものです。
欠点だかけの人間なんていません。成熟したら腐敗するだけです。すなわち誰でも未熟だからこそ、成長していけるのです。
自身の持つ良さや素晴らしさを正当に評価し、ありのままの自分を受け入れ、そこを原点として加算法を積み上げていくことでレジリエンスは高められます。
掛け値なしの自分を受け入れ、肯定し、そして「自己効力感」といいますが、自分には良くなる成長力があるのだと認識することと換言できます。
この自己効力感を高める方法を、今後もこのシリーズでは紹介していけたらと考えております。