「名ばかり産業医」③|過労死訴訟を健康経営の視点でメンタル産業医が解説

これまでのあらずじ

名ばかり産業医の背景には名義が勝手に使われている可能性を当シリーズ①で検討しました
次にシリーズ②では、医師をその容姿で値決めされていたり、産業医をクラウド上から15万人も紹介できるとされていた業者が「忖度ランキング」にて確認されました。その推定に関して確認しようにも全く連絡がとれない中、なぜだか15万業者に関しては1,547人の医師が所属していると仔細が変更されていたり、対して当社の情報は虚偽のまま表記されているおかしさが2022年1月末から同4月中旬の間に確認されました。どのような条件を入力しても、常に15万業者がトップ表示されるというデジタル技術(テクノロジーズ)が把握され続け、かつそのような業者を活用する事業所が1万もあるとの事実とは乖離した表現には、これは偽装? 捏造? 虚偽? 偽証? 不明ですが詐欺に似るかのような違和感が残りました。

それらの「紹介所/紹介業者」と疑うに足る証左がAhrefsのWeb ”Authority” Checkerでも確認されもしました。

それらサイトを確認し直してみると、業務を外部の保健師へと、つまりは企業の責務をアウトソーシングさせたいかのような外形が、具体的には
・事実を歪曲、
・統計を誤用、
・複数の違法性を阻却できないと思われる、つまりは非合法的と理解しえる記載
・その存在が年々拡大している

以上の実際がAhrefsでも確認できたのでしょう。

具体的には

A:about:6割近くの企業が産業医に満足してくださっていた集計を、わざわざ不満の方を強調した上で報道させていた。
B:bad:2020年度の広告を2022年度版と上書きしてかどうかは不明ながら ともあれ複数の「産業医不満ランキング」掲示しなおす対応がシリーズ①記載後に実施されていることを確認。

加えて読者からのご教示によると宣伝動画?の3:05付近に示される「現時点で1,100社契約中」との表記があるのに未だに「1万社と契約」とぴった詐欺に似るような表記がされていたとのことでした。#ブラック産業医紹介所

 

C:compliance: 労働安全衛生法医師法保健師助産師看護師法医療法と複数もの法律に抵触しかねない記載までして「まで」産業医の業務を保健師に引き渡させることを推奨するかのような外形的記載も把握できました。

労働安全衛生法、医師法、保健師助産師看護師法のどの規定に違反するのか言えない医師や保健師は、産業保健業界で仕事をしてはならない、またはさせてはいけないと考えます。

 

D: dangerous:「健康経営2.0」なる詐欺に似るかのような記載にて、実態は“産業医との契約を解消し、外部の業者に外注化”なのに、1975年にその発端が始まった「健康経営®」の改善版ではないかといった誤解・誤認を与えるような、SDG社会にも挑戦するかのような情報が確認されました。

出典:健康経営と産業保健ーその効果を考える.産業医学ジャーナル2021年44巻1号(編集協力:厚生労働省、日本医師会、産業医科大学)

E:economically  first:世の中にはSDGとは反する もしくは安全第一ではなく経済第一 経営第二の企業があるのが現実社会であることは悲しいけど現実のようです。

F:fact:実際 以下のように、すでにその存在を把握かつ確認されている厚生労働省OBがいるとのこと。

ブラック紹介業/紹介業者の存在

2号証拠(週刊ダイヤモンド2022年2月12日号)では厚生労働省OBからの情報として「ブラック紹介所/紹介業者」を使うと不利益しか得られないとの記載が確認されます。

ジャーナリストたるもの。その情報源を明かすことはしないものです。そこで どの業者が「ブラック紹介業/紹介業者」なのかではなく、当シリーズ③では、「名ばかり産業医」や経験や研鑽を積んでいない保健師を、「産業保健師」はおろか、「第一種衛生管理者」としての任務を与えることの危険性・・・特に過労死等防止推進法自殺対策基本法にも反しえることになってはと社会病理性の存在を危惧しえたので、社会医としてこの病理構造の把握と処方箋に関して考察します。

具体的には

過労死等を含めた労働災害防止のためにある労働者健康安全機構が刊行している「産業保健21 2021年10月号」で取り上げられた産業医や衛生管理者の責務を扱った過労死事件を取り上げることで、名ばかり衛生管理者や勧告しない キャスト産業医では危険だという教訓を学ぶと共に、それらを規範とすべきと鼎立すると共に上記でよいのか健康経営を推進するクラウド産業医として検討を試みます。

「サンセイ他事件」から学ぶ「名ばかり産業医」の危険負担と改善するには衛生管理者の専属義務の徹底

 

「サンセイ他事件」とは以下の労働紛争です(東京高裁 令和3年1月21日判決(労判1239−28))

41才時点での健康診断で、血圧・血中脂質異常があるとと判定されていた方が51才で過重労働死した事案。

保健指導を産業医は継続的に実施していた(推定:定期健診の実施はしていた)ものの、健康管理に関する勧告はしてこなかった(推定:就労上の措置を実際に産業医は行っていなかった)
健康診断個人票には「高血圧(治療中)」との当人の自己申告を元にした既往歴記載は確かにあった。
実際には未受診かつこの記載は虚偽であった。のみならず、その仔細を産業医も衛生管理者も把握していなかった

事業主側は、いけないこととは知りながらも、やむに已まれず、長時間労働に当該者を従事させてしまったのでしょうか?

発症前における1か月当たりの時間外労働時間(一審@横浜地裁 令和2年3月27 日判決上 認定事項)
・発症前4か月間平均>80 時間
・発症前2か月間平均>98 時間
・発症前3か月前88時間32分、
・同2か月前111時間09分
・同1か月前:85 時間48 分

脳出血の発症翌日に死亡。享年51才。
翌年、雇用会社は解散。

長時間勤務を余儀なくされる労働者への支援に関して:判決要旨より

産業医や衛生管理者も事業主責任である安全配慮義務の履行補助者。一般的な注意喚起では不足であり、確実に労働時間が削減を達成するような具体的措置を講じる必要があること、厳格に認定されました。

産業医は、健康診断の結果について面談しただけで、被告会社に対して何らの勧告をしていないことが課題認定されました。
産業医との面談が故人の業務を軽減するための有効な措置であったとは考え難いと判決にて指摘されていました。

→女性医に対して容姿に応じて価格を換えているような、つまりはキャスト産業医のように、変更することが良いとする回転性の高さをうたう業者は果たしてということが理解できます。

 

 

参考サイト:産業医紹介サービスガイドサイトの実態など

衛生管理者による指導についても、衛生管理者の資格を有する総務経理係長という上司が、食事面での指導や健康診断の受診を促したりしたという程度にとどまり、故人の業務を軽減させるための実効的な措置とはいえないと判断がされていました。

以上が2021年1月21日に東京高裁での判決として示されていました。

産業医に課せられた事後措置という労働者支援が足りなかったことと、事業主責任を実体として具現化すべ衛生管理者の対応にも欠缺があった実際の2点が争点となったものと理解できます。

出典:佐久間大輔.企業の責任を果たすために 安全配慮義務遵守の実務ポイント.BUSINESS TOPICS 2022年2月

出典:産業保健スタッフ必携! おさえておきたい基本判例 44 高血圧の基礎疾患を有していた営業係長の長時間労働による死亡につき、会社と直属の上司であった取締役の責任が認められた事案.産業保健21 2021年10月号

 

「サンセイ他事件」から学ぶ教訓:実効性ある 安全配慮義務とは

・産業保健スタッフは、労働安全衛生法令に基づいた権限を適切に行使できるよう、適正な作業条件や労働環境を事業者側から提供される必要があります。

繰り返し紹介しているように、保健師が衛生管理者を担当する場合には、その保健師もその事業所の専属でなければなりません。

労働安全衛生規則第7条2には専属規定まであることを、本来は司法警察員 が監督すべき事項です。

実効性ある安全配慮義務を事業者側は尽くす必要があるとは、形式的に、法令に基づいた最低限の措置を講じているだけでは、
①労働基準法から労働安全衛生法が1972年に分離独立してできた保護法益の経緯を踏みにじることになる、
②労働安全衛生法には快適職場形成に関する努力義務規定がある、
③労働によって国民に憲法において保障された生命権や幸福追求権が毀損されてはならないという方理念から、

いよいよ遵法かというと、そうではないとみなされかねない解釈が導かれるように、
つまりは安全配慮義務を尽くしたことにはなりえないでしょう(仔細は労働基準監督官にご確認を)。

なお 悪意あると判断されたら積極的に不法・違法・脱泡行為を働いているともみなされかねません

★上記判決例では、「総務経理係長」という、職制の上でも、指揮命令系の上でも管理職である方が衛生管理者であったことに目を向けましょう。
それでも不十分とされました労働安全衛生規則第7条2からも一人目は専属である必要があります。実際に厚生労働省という行政側の見解は以下です。

職場において労働者の健康障害を防止するため、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、その事業場専属の衛生管理者を選任しなければなりません。ただし、2人以上の衛生管理者を選任する場合で、衛生管理者の中に労働衛生コンサルタントがいるときは、労働衛生コンサルタントのうち一人については専属でなくても差し支えありませんものの。選任すべき人数は事業場の労働者数に応じて決められています。また、誰でも良いわけでなく、衛生管理者に選任されるためには業種に応じた資格が必要です。

出典:衛生管理者について教えて下さい。|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

非専属の場合には、労働衛生コンサルタントの資格を持つ必要があります。

衛生委員会に委員以外の外部から人がオブザーバ参加するためには、社会保険労務士資格を持つことが望ましいと考えます。

当社代表は、以下の専門誌で、産業保健師のキャリアパスに関して、以前は社会保険労務士だったが、最近はキャリアコンサルタント資格を取得することが望ましいむね述べた立場です。NTT東日本(株)での健康管理体制では、保健師は入社2年目には産業カウンセラー資格を取得するといったキャリアパスを経ている実際があること、日本医事新報社でも報じられていましたし、出典に記載した書籍でも紹介されていることより、知らない産業医は果たして産業医なのかという理解が可能です。そこで記述内容には、専門職としてキャラ立ちしないためにも、人事労務担当との協働であってしかるべきとの記載もしています。社会保険労務士の資格取得に際して学ぶことになる、労働基準法や労働安全衛生法、各種保険法は容易にネットから入手できる時代。産業保健師を名乗る以上、労働法は知っていて当然だとみなしていました。順天堂大学にゆかりがある産業保健研究会(いわゆる さんぽ会)に所属されている産業保健師の方々も、多数、労働衛生コンサルタント資格を取得されていました。
ましてや衛生管理者を担う以上、安全配慮義務が課せられた事業者が、未経験者に担当させることがあること、上記厚生労働省見解からも想定しえませんでした。

仮に衛生管理者を保健師資格を有する看護師が担当する以上、かつ版を重ね、歴史を加えることで範を示すような「産業保健と看護」を購読するようなレベルの方は、必要な履修を当然に重ねているものとみなすことで、こちらとしては相応の注意義務は尽くしえたものと捉え、「産業保健と看護」誌には、そのあたりの記述まではしていませんでした。

むろん記事の中では特定社会保険労務士が実施事務従事者であるストレスチェック実施機関も紹介することで危険担保について言及してきましたものの、現実には、専任を選任に読み替えさせるような衛生管理者を供給するようなスキームが出現することまでは想定しえなかった点は反省材料です。。

参考サイト:健康経営⑬|「産業保健と看護」誌にメンタル産業医命名者による健康経営 記事複数掲載
出典:日本産業衛生学会関東産業医部会.産業医ガイド.日本医事新報社

 

また、
三次予防は 産業医の責任だけではないことは、「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」がある中、SDGは二の次の企業には、当社としては次に記載することを申し上げたい。

企業は10年後 20年後 30年後も 維持かつ成長してもらう存在です。

人は消費したら消失する資源ではなく 毀損していく資本でもなく アウトカムを出し続ける資産です。

理由は
食育基本法が出来たのは2005年。そこで国民の義務とされた食育という栄養改善に取り組むものは少なく、2009年に溝口徹先生は『「うつ」は食べ物が原因だった!」を出さなければなりませんでした。

栄養状態は改善せずの現在。

参考サイト:健康経営㊵|「朝飯前」の意味

なお 優れた衛生管理者は以下も 自学自習の材料にしていると識者からご紹介がありました。

☆衛生労働者フォーラム2021

≪動画≫テーマ別セッション5:Covid-19から生じる課題と機会30.11.21

◇≪動画≫テーマ別セッション6:労働安全衛生(OHS)、ポリシー、法律および規制30.11.21
https://www.youtube.com/watch?v=x0_do07TJrg

◇≪動画≫テーマ別セッション1:衛生労働者の疎外と代表29.11.21

◇≪動画≫深く見る:衛生労働者の健康、安全、尊厳を向上させるための研究課題

◇≪動画≫労働者の権利と衛生に関するワークショップをつなぐ2.12.21

このように紹介することでお礼の代わりとさせてください。ありがとうございます。

 

「名ばかり産業医」⑤|産業保健のあり方に関する検討会開催へ

「名ばかり産業医」⑥|厚生労働省:特別相談窓口設置@健康経営2.0

「名ばかり産業医」⑦|健康経営2.0のステマサイト運営先をメンタル産業医が取材